act16回想(その5)−大阪なるの暁光(中編)

さて、そんな大阪なるであるがact16以降の出番は少ない。act22で悪美に洗脳され、次の出番はact29、30である。ここでもクラス全員が黒木ミオ派になるのだが、大阪なるだけはうさぎの味方だ。こうして見ると大阪なるがうさぎに寄せる友情に比べて、うさぎが報いている量が少なすぎるように感じる。そもそも番組開始のact1からして遅刻した罰に掃除当番をさせられたうさぎに付き合って掃除をしているではないか。
次の出番はさらに10話を飛ばしてact41。ここで月野うさぎの正体を知る。よく考えると大阪なるがセーラームーンを見たのも初めてか。なるが事前にセーラームーンの存在を知っていたらこのシーンはもっと盛り上がったのだが、なにしろセーラー戦士は一般市民に姿をさらしていない*1。プリムーンの暴走でなるは怪我をしてしまう。暴走と言うより、プリムーンにとってはエンディミオン以外の人間など石ころほどの価値もない。なるが怪我をしようが死のうがまったく眼中にないのだ。翌週のact42でうさぎの告白ですべてを知った大阪なるは、うさぎへの信頼を告げ、うさぎを励ます。
後半の出番が少なかったので印象が薄いが、亀吉が木野まことに与える見返りを求めない愛と奉仕に負けず劣らず、大阪なるは月野うさぎに対して友情と博愛を惜しみなく注いでいる。だがそれがいつも一方通行なのだ。なぜだ。クラスの友達とセーラー戦士の間での月野うさぎの立ち位置。原作やアニメ同様、実写版でもこれが定まってないのでうさぎはなるに対して何もできないのである。
(つづく)

*1:2月13日『タキシード仮面はなぜ正体を隠すのか(後編)』参照