序章−科学の彼方に(前編)

今日から私の身内が体験した不思議な話を3つほどしよう*1。その前に、この手の話に対する私のスタンスを明らかにしておきたい。

     Q「幽霊はいると思うか?」

     A「いるかもしれないし、いないかもしれない」

     Q「心霊現象はあると思うか?」

     A「あるかもしれないし、ないかもしれない」

なんじゃそりゃ。少なくとも否定はしない。だが肯定するだけの材料を持っていない。そもそも幽霊や心霊現象を正確に定義することなど誰にもできないはずだ。定義できないものを肯定や否定することはできない。では別の問いかけをしよう。

     Q「現代の科学で説明できない現象−超常現象−はあると思うか?」

     A「ある。存在してもおかしくない」

これが私のスタンスだ。ところで私がどうしようもなく苛立ちを感じるのはテレビ番組の討論会などでこの手の現象を

     「それは非科学的だ」

     「科学で説明できない現象は存在しない」

とまくし立てる「知識人」たちだ。この人たちは科学というものを誤解している*2。そもそも科学は真理を追究する学問ではない。それは科学ではなくて哲学の領域だ。科学とは「自然現象を説明するための学問」と私は思っている。ガリレオコペルニクスが生まれる前から地球は太陽のまわりを回っていた。アインシュタイン特殊相対性理論を唱える前から光は自らが思うままに時空間を飛び回っていたのだ。彼ら科学者は正確にはなにも発見していない。人類が誕生する前からそこに存在していた森羅万象を説明する術(すべ)を見つけ出したに過ぎない。科学で説明できようができまいが、存在するものは初めからそこにあり、そのもの本来の挙動を示すのだ。だから科学で説明できることと何かが存在するかは無関係だ。
(つづく)

*1:狂ったか!セーラームーンはどうした

*2:ちなみに私は工学部卒