秋のビデオまつり

このところ体調が悪かったので1時間半の作品を選んで見ていたらイマイチな作品ばかりだったよ...
     
こうなったらファイナル・デスティネーションのシリーズを全部見るのだ。これは3作目。主人公が女性なのが新しい。2作目は見てないが、死のピタゴラスイッチは3作目で完成している。とくに3作目は5段階くらいのスイッチで最後にターゲットの頭の上に天井に吊るされた扇風機が落ちた! と思ったらよけちゃった。なーんだ、この場所ではないのかと思ったら道路の石を車が弾いておでこを貫通。フェイントもあるのか。


     
これは4作目。たぶんこれがシリーズ最高傑作。ほかの作品では主人公が危険を予知するのは最初の事故だけだったが、ここでは事故の生き残りがつぎつぎ死のピタゴラスイッチで死ぬのをぜんぶ予知する。結局、回避できないんだけどね。だがこの設定が最後のクライマックスで生かされていて意外な盛り上がりになる。


     
主人公の女性は何かに感染する。この何かに感染すると誰かが追いかけてきて捕まると殺されてしまう。ただ、追跡者は歩いてくるので、走れば引き離すことができて車で遠くに行けばしばらくだいじょうぶ。だが絶対に現われる。さらに追跡者はほかの人には見えない。設定は新しいのだが最後まで盛り上がりにかける作品であった。


     
主演が前田敦子なのが不安だが監督・脚本が黒沢清なので見てみた。ちょっと頭の弱そうな主人公が一目惚れした人を追いかけて単身ロシアに来る。荷物をぜんぶ盗まれてしかたなく日本人がシェフのレストランで働いて...先の展開がわからないまま話が進んでいくとラスト15分でとんでもない展開になる。たしかに伏線はあった。しかし、うーん...と驚いていたら最後の前田敦子の歌とPVでいままでの世界観が台無し。なんだよこれ。黒沢清監督の作品がこれか? エンドロールが流れるとプロデューサーが秋元。「劇場霊」もこれも、どんなに有名な監督でもプロデューサーが秋元だと駄作になる法則。秋元恐るべし。だがそれが彼女たちのために全然なってないことに早く気がつけ。いや、そんな気もないのか。


     
主人公(岡田将生)が道路に飛び出したために乗用車が横転し、載っていた4人(鹿賀丈史広末涼子木南晴夏松井愛莉)が死んでしまう。だが現世に未練や心配事がある4人は幽霊になり、なぜか主人公だけは彼らの姿が見えお互いに触れることができる。幽霊だけになにもできないが、主人公を遺産をエサに動かして思いを遂げさせる。もうこういう設定にすればそれなりに泣ける話が作れるのはわかっているが、同じテイストの「ツナグ」とかに比べると話が浅いのが残念。私はこの人を
     
安田美沙子だと思ってずっと見ていたのだよ。なんだ、安田美沙子ってよく見ると可愛いじゃないかと。エンドロールを見て木南晴夏という人だと知った。いま見ると木南晴夏にしか見えない。なんで安田美沙子だったんだ...


     
監督が押井守。私はこの映画をロードショーで観ようと思ってたんだよ。だけど時間が合わなくて断念したのだった。でも1,800円出して観なくて良かった。押井守って、前に観た実写版のパトレイバーも駄作だったし、もしかしてアニメだけの人じゃねえの? この作品の何がダメかを説明する。ファンの人がいたらすまん。大きく分けてAパート、Bパート、Cパートとする。もちろん映画がそうなっているわけではないよ。私の感想でだ。AからB、BからCに映るとき、物語が意外な方向に転換する驚きがある。だがオチである最後のCパートを観たとき、上映時間の3分の2を占めるAパートが何の伏線にもなっていない。もちろん皆無ではないのだが、Aパートでは不幸だと思っていたことが、Cパートから見るとあれはあれで幸せだったとか、AパートとCパートでポジティブとネガティブが逆転するような価値の転換。あるいはAパートでいくつもの謎や不整合を提示しておいて、それがCパートの暗喩だったと思わせるような仕掛け。そういったものが無いと、この映画って15分くらいの短編で十分な話になってしまう。


     
立ち入り禁止の道に入り絶壁を登る男3人、女2人のグループ。それほど困難な登山では無いはずだったのにいろいろなアクシデントに見舞われる。ここまでが1時間。けっこう真面目にロケをしていてなかなかの迫力。このまま山岳パニック映画として最後まで作った方が面白かったんじゃないのか? 山頂まで登り切ると平地になっているのだが、そこには罠があり一人一人の餌食になり、しかも連れ去られる...こんな映画、見る人もいないと思うので書いちゃうけど、その敵が幽霊でもなく秘密結社でもなく一人の変なオッサンなんだよ...