北海道 気候の謎(後編)

東京生まれの人は12月以降、未体験ゾーンに突入するわけだ。なにしろ1日の最高気温が氷点下の経験など関東地方ではありえない。では札幌にいる間、つらかったかと言うとそうでもなかった。いや、関東に帰ってきてからのがつらかった。それは次の理由による。
【寒いのは慣れるが暑いのは慣れない】人間は、いや哺乳類は暑さよりも寒さに対する適応能力が高いようだ。自分でも驚くほど適応した。そもそも第1次産業に従事しているわけではないので真冬に戸外にいることは少ない。寒かったら着ればよいが、暑くても脱ぐわけにはいかない。また気温が30度を越えたら全裸になっても暑い。そうなるともはや為す術がないのである。
【断熱構造の家】どの家も断熱構造がしっかりしている。窓はすべて2重。またFF暖房というのが普及している。これは石油ファンヒータとエアコンを合わせたようなもので、室外で空気を暖めて室内に送り込み1日中使っていても部屋の換気をする必要がない。またマンションは灯油がまるで水道のように壁を通って送り込まれる構造のものが多く、各家庭は給油の心配がない。
体感温度の差】本州と北海道の気候の差は気温もさることながら湿度の違いが大きい。夏はからっとしているので気温が33度くらいあっても風が涼しく日陰に入れば汗も出ない。冬は顔や手などむき出しの部分は確かに寒い。いや痛い。氷点下になると耳などちぎれそうになる。だが服で覆われている部分への冷気の浸透度は関東より低い気がする。私の感覚では、東京の10度が札幌の0度くらいに感じた。
そんなこんなで、最初はビビっていた冬だが、けっこう快適に過ごせた。もちろん、これはあくまでも札幌の都会でのマンション住まいの話だ。北海道も場所によって気候はだいぶ違う。地図に向かって右下は太平洋なので気温は高く*1積雪量は少ない。札幌は日本海側の気候なので冬の日照時間は少ない。内陸はめちゃめちゃ寒い。零下30度を体験したければ士別に行け。

*1:もちろん北海道の中では