検証・これが実写版の台本だ!−act41(その5)

いよいよact41の名場面、いやシリーズ終盤最高の名場面に突入する。ここはじっくり台本を読んで欲しい。

     5.ショウタ君はなぜ木に登れたのに降りられなかったのか?

そもそも木に登っていない。ショウタ君は溝にはまって抜け出せなかったのだ。これがなぜ変更されたのか。理由はいろいろ考えられる。まず、溝はヤバい。現実に事故や事件が起きている。あまりに生々しい。つぎは木野まことセーラージュピターは木が似合う。act6、act20、act31、すべて木野まことのイベントは樹木を背景にして起こるのだ。あとは画面の美しさ。台本は川を背景にしてまことと亀吉が語り合うのだろう。だが、この回の監督は妙なところでリアリズムを追求する佐藤監督。川や溝を映像素材に与えたら何をするかわからない。溝にはねずみの死骸が浮かび、川の浅瀬には自転車の残骸が放置されているかもしれない。放送は大きな木を背にして二人が会話する。ふたりのバックには風で枝が揺れ、木漏れ日がきらめく。私はact41のこのシーンで、初めて安座間美優をきれいだと思った。
どんどん行こう。つぎはこれだ。

     6.亀吉の顔になぜ泥がついていたのか?

帰ろうとする亀吉を、まことが呼び止めて顔に付いた泥をおとす。だが、木に登ったくらいで顔に泥が付くのか?木から落ちたときに付くかもしれない。だが、泥が付くように顔から落ちたら二人の会話など成り立たない怪我をする。台本では溝からショウタ君を救い出して、亀吉は泥だらけなのだ。ところで、台本上の元基は「古幡」だ。番組中、一度でも苗字で呼ばれたことがあっただろうか。
(つづく)