前世と現世の非対称(前編)

セーラー戦士は古代の月の王国で王家を守っていた親衛隊の生まれ変わりである。月野うさぎは王国の王女であるプリンセスセレニティの生まれ変わりである。わざわざ書くまでもないセーラームーンの基本設定だ。

     前世  セーラーマーズ プリンセスセレニティ
            ↓        ↓
     現世    火野レイ    月野うさぎ

だが待てよ...セーラームーンはどこにいる?そう、セーラームーンは前世には存在してなかったのだ。これはアニメ放送時からの私の疑問だった。それを解決するために私が立てた仮説は次の2つ。
【仮説1−ルナのチョンボ】プリンセスとセーラー戦士を探す使命を持って現世に現われたルナ。残念ながら前世の記憶が曖昧だったため、プリンセスとセーラー戦士の見分けが付かず、プリンセスの生まれ変わりである月野うさぎを戦士としてリクルートしてしまう。ルナがうさぎに渡した変身アイテムは、うさぎの体内にある銀水晶と反応し、前世にはいなかったオリジナルのセーラー戦士であるセーラームーンを創造した。本来、戦士に守られる立場であるプリンセスをセーラー戦士にしてしまったのはルナの大失態。ルナは自分の責任を痛感し、自らがセーラー戦士となってプリンセスを守ることを決意し、セーラールナになる...
セーラームーンだけでなくセーラールナ誕生まで説明できる。我ながら素晴らしい仮説であるが、この説には致命的な弱点がある。ルナは一度も反省してないし、セーラールナも人間体でいることを謳歌しているだけで、プリンセスの警護にまったく役に立っていない。4年後を描いたSpecialActでは、まんまと家族を洗脳し、完全に居候の地位を確立し朝飯を食っていた。アニメはここまでぶっ飛んでないが、ルナが反省しているシーンはないので、この仮説には無理があるようだ。
ところで4年後のアルテミスは、アニメのようにルナと夫婦になることもなく、美奈子への献身的な愛と忠誠を貫き通している。なにしろ彼はぬいぐるみだから決して報われることのない永遠の片思いだ。*1同じ男として頭が下がる。
(後編へつづく)
ところで、この「セーラームーンの想ひ出」は先週の金曜日から書き始めましたから、なんとか1週間続けられました。カウンタはほとんどが編集時の試行錯誤で増えた分ですが、わずかながら読んでいただいている方がいるようで頭が下がる思いです。年内はネタがもちそうです。

*1:戸外を歩いているわりにはいつもきれいなので、けっこうマメに洗濯をしてもらえているようだ