アニメでは次の2大原則があった。
1.セーラームーンは必ず変身する
2.妖魔は必ずセーラームーンが倒す
シリーズを重ねるごとにムーンと他の4戦士の力の差が開いて、この傾向は顕著になった。では実写版はどうだったろう。ムーンの変身バンクがあった回(表中の「変身」)と妖魔は誰が倒したか(表中の「撃退」)を調べてみた。
変身 撃退
act 1 ○ 月 (一人だったから当然)
act 2 ○ 月水
act 3 ○ 火 (ムーンは見学)
act 4 ○ 月火水
act 5 × 月火 (フィニッシュだけ参加)
act 6 × 木 (妖魔消滅後におもむろに登場)
act 7 ○ 月 (第2回戦は木と連携)
act 8 ○ 火木 (ジェダ自滅、ムーンは寝てた)
act 9 ○ 水木 (ネフ逃亡、ムーンはタキと談笑)
act10 ○ 月
act11 ○ なし (ゾイサイトの攻撃に全員無力)
act12 ○ 月 (印象が強かったのはゾイサイトを秒殺した金)
「火木」と書くと燃えないゴミを出す日のようだが、なんと12話中、ムーンが単独で妖魔を倒したのはたった4回、他の戦士が倒したのは4回、変身バンクが無い回が2回もある。変身をした10回も画面分割による同時変身が多く、ムーンの単独変身にこだわっていない。act17(ヴィーナス登場)では変身さえしてない。またムーンの戦力については、全49話中、他の4戦士の技が効かずムーンの攻撃のみが有効だった回は一度も無い。*14戦士の技が効かないときはムーンの技も無力で、そのときは同時攻撃など合体技を使っている。*2つまり実写版ではムーンが特別に強いわけではないのだ。
なんて素晴らしい設定だろうか。*3マーキュリーアクアミストも妖魔退散もシュープリームサンダーもヴィーナスラブミーチェーンも存在価値があったのだ。そして4戦士はムーンの前座ではなくて、それぞれが妖魔から地球を守る戦士としての威厳と誇りを最後まで持ち続けたのだ。小林靖子、万歳!