春の映画まつり

今年度の暫定1位がこれ。
     
インド映画。ダンスは無いよ。レスリング選手として圧倒的な強さながら家が貧しく国も育成費を出してくれないのでオリンピックをあきらめた父親。自分の夢を子どもに託すが生まれたのが女の子。つぎこそはとあと3人作るがぜんぶ女。夢を捨ててしまった父親だったが、上の2人の娘が男の子と喧嘩をして男の子をボコボコにする。もしかしてと、二人をレスリング選手として鍛える。地元には女子の選手がいないので男の子と練習をして、男の子の大会に出場すると連戦連勝。地域の代表として女子の全国大会に出場するが、なにしろ男に負けてないので女に負けるはずがない。まずは姉が国の強化選手になりアカデミーに入学するが、父親から離れた開放感と、父親とはまったく違う指導法のコーチ。家に帰ると父親と反目する。心配する妹。妹も強化選手になり昔と変わってしまった姉に不安がいっぱい。姉は全国大会に出るが連戦連敗。妹が姉を諭す。お父さんに電話をしなさいと...なんだよ、このインド映画。無茶苦茶面白いぞ。父親はアカデミーのそばに下宿し、学校が終わってから姉妹を指導する。当然、コーチはよく思わない。だが復活した姉、連勝を続けてついに世界大会に出場する。これは実話なんだよね。エンドクレジットで姉妹の写真が出てきたよ。この星一徹ばりの父親、練習の邪魔だと娘の髪を短く切ってしまったり、子どもらしい遊びは一切なくて練習漬けの毎日。自分の夢を叶えるために娘を利用するひどい父親のように映るが、世界大会の決勝戦に進んだ姉に父親が言う。この国は女性の地位が低い。家事と育児しか期待されない。お前が金メダルを取れば、この国の少女たちに夢と希望を与えると。このお父さん、娘が女性では無く、一人の選手として自立することを考えていたんだね。もう泣いちゃうよ。決勝戦、1対1で迎えた最後のピリオド。相手は3大会優勝のオーストラリアの王者。4ポイントをリードされて残り時間は15秒。姉は思い出す。レスリングには5ポイントを取れる難易度が極めて高い大技があることを...プロレスのファンなら誰でも知ってるあの技だよ。たぶん、ここはフィクションだと思う。何度も出てくるレスリングのシーンが実に面白くてスリリング、美しくさえある。スポーツを題材にした映画って、実際の試合では不可能なカメラワークがあるでしょ。あと、金のかけ方が日本映画とは比べものにならない。去年に見た卓球の映画「ミックス。」の全国大会のショボさに比べて、こっちの世界大会は競技場の大きさ、エキストラの数とも圧倒的。いつのまにかすごいことになっていたインド映画に今後も注目だ。


     
都内で3館しか上映してなく、1日1回。そのせいか満員だったよ。東京から地方の中学校に転校した主人公。そこで壮絶ないじめに会う。ついには家に放火をされて両親は焼死、妹は全身やけどで生命維持装置につながれる。主人公の復讐が始まる...有名なコミックの実写化らしいが、コミックはどんな展開だったんだろう。登場人物の行動がいちいち極端で感情移入ができない。いじめっ子たちも不幸な家庭環境だったことはうっすらわかるが、それが放火までには結びつかない。主人公の復讐も毎回都合が良すぎてなんかなあという感じ。