シェイプ・オブ・ウォーター

アカデミー賞の13部門にノミネートされているという映画。監督は先日ビデオで観た「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ。この監督の新作、またファンタジー系かと思ったら「パシフィック・リム」の新作だって。話題になったおかげで市川のTOHOシネマズでも観られるようになった。平日の最終回だったので客はまばらだった。R15+のせいもあるかもしれない。実際はR18でもいいくらいの映画。この映画を一言で表すと、耳は聞こえるが声を出せない主人公の女性と半魚人の恋。だがそこはギレルモ監督、舞台が米ソの冷戦時、半魚人を解剖しようとするアメリカと、その前に殺そうとするソ連。冷徹なアメリカの軍人と、半魚人と主人公にシンパシーを感じてしまったソ連のスパイ、主人公と同じアパートに住むゲイの爺さん、いろいろな人の思惑の中で研究所に捕らわれている半魚人の救出作戦が進む。ラストは海に帰っていく半魚人を、涙で見送る主人公だと思ったら、これは「パンズ・ラビリンス」の監督。バッドエンドかい! またバッドエンドかい! だが最後の最後でひねりがあった。結局どういうことかよくわからなかったが、そういうことでいいんだよね。仮面ライダーっぽい半魚人の造形、主人公の部屋や研究所の独特の雰囲気、細部まで監督のこだわりが感じられる。ただ作品全体を貫くグロさが、アカデミー賞の審査員の目にはどう映るのだろう。観て損は無い一本だ。