秋の映画まつり

明日に封切りの映画がたくさんあるから今日までが映画の秋シーズンなんだろうな。よって秋の映画まつりはこれが最終回。10月の終わりから11月の頭にかけて土日祝日ずっと出勤した代休があったので映画を観てきたよ。
     
これは予告編を見たら良作の予感がして、ぜひ見たいと思っていた。上映館も少なく会社帰りに見られる時間に上映していないので会社を休んで見るしかない*1。期待に違わぬ良作。「進撃の巨人」の10分の1、「エベレスト3D」の100分の1の予算で作られたと思うが、これはいい映画だった。伊藤淳史が主人公にビタっとハマって、この役をほかの役者が演じる姿が想像できないくらい。主人公のお母さん、熊谷真実かと思ったら妹の松田美由紀か。息子だけでなくお母さんもまだ役者をやっているのか。ラストが檀家の長老の葬式なのだが、そこで弔問客に主人公が話す。「ボクは人が死んだ後に行く場所は生まれる前にいた場所に似たところだと思うんです。静かな場所から来て静かな場所に戻る。それなら人生とは一瞬のお祭りのようなものではないかとボクは思います。だから故人には『お疲れさまでした』と言ってあげたい」...うん、これは使える。
     
伊坂幸太郎の傑作の映画化。昨年に観た「オー・ファーザー」も面白かったが、伊坂幸太郎の原作ならそのまま映像化すれば良い映画になるだろう...って、変えるなよ。原作と変えるなよ。登場人物の設定や話の大筋はそのままだが、伊坂幸太郎独特のライトなノリがなくてやたらシリアス。そのために主人公があたふたしているうちに物語のピースがどんどん合わさってくる爽快感がない。おそらく浅野忠信と山田涼介を中心に持ってくるためにこういうテイストになったんだろうな。そこを除けば最初から最後までハラハラドキドキのよくできた映画。これも観て良かった。それにしても菜々緒がいつでも怖すぎ。
     
上の2本は封切り前から観たいと思っていた映画だったが、あとの1本は何を見よう。「MOZU」、「PAN」、「コードネームUNCLE」などの話題作があるが、あえてこれを観てみた。だって本田翼は可愛いじゃないか。テレビも映画も泉里香北川景子のバーターになってなく、ついに本田翼のバーターにもなってないのが悲しい。本田翼はたしかに可愛いのだが、映画を3本観て、1本目に出ていた山本美月を除くと男優も女優もベテランや芸達者な中堅ばかりを観た後で本田翼を観るとつらい。とくにこの映画は彼女以外はベテランばかりで、顔のアップがやたら多い映画なのだ。そうするとセリフの無い顔のアップで、なにも表現していない表情が多すぎるのだ。この役はちょっと荷が重かったと思う。ただ、本田翼のファンの人には「素の本田翼がたくさん観られる映画」と言って良い。
それにしても1日で映画を3本も観ると1勝2敗か、良くて2勝1敗なのだが、今回は3本とも良かった。全勝の1日だった。

*1:休日に映画に行くという選択肢はないの?