「死神の精度」

Tガールズに金城武の姪っ子がいるのでこの映画を思い出した。伊坂幸太郎の名作「死神の精度」の映画化で2008年に公開された作品。主役が金城武ってどうよと観る前は思った。原作のイメージはもっとサラリーマン風の普通の人だったが金城武ってマッチョな野生派だろ。ちょっと解説をしておくと「死神」とはこの世ではないどこかの世界から派遣される調査員。死ぬ運命になっている人のところへ行き、予定どおり死んでもいいかを調査する。人間の姿をしているが人間ではないので感情を持っていない。人間のように生物ではないのでナイフで刺されたり拳銃で撃たれても痛みを感じない。また人間のことやその時代のことを知ってはいるが調査の期間だけ対象者に接するだけなので、どこかズレている。冷淡というより「飄々」とした人なのだ。実際に作品を観ると、武闘派っぽい金城武がちょっとズレている飄々とした人を演じるとたまらなくおかしい。「あんた、なんでそんなことをやっている?!」という笑いと、どこか哀愁が漂っている。Wikiを読むと

  本作の映画化は映画化を断り続けてきた(原作者の)伊坂が、スタッフ側から金城が主演である条件を呈示された事で了承し実現した

そうか、伊坂幸太郎金城武がこの役をやることのおかしさが観る前からわかっていたのか。最後のエピソードである3話目のラストが原作と変えてある(よく覚えてないが)。原作には無いサプライズを入れているが、これはこれでいいと思った。まだ観てない人、とくに原作を読んでいない人にはお勧めする。てか、夏に観た映画ではいまのところこれが1番だ。