「眠れる森の美女」観劇レポ−大きいお友だち編(後編)−

今回の大田区の公演、チケットを申し込んだとき、けっこう早かったのに13列目というのが解せなかった。まあ、盛況というのは良いことだと思って、その疑問自体をそのまま忘れていた。当日、会場に入ってみると、1列目と2列目は沢井党mixi支部をはじめ、けっこういろんな人が座っている。そして、私やStreamKatoさん、私の読者さんら年配の男性が13列目に並んでいる。そして3列目から私の一つ前の12列目は家族連れ。どうも、ここだけ別のルートでチケットが販売されたのではないかと思う。結果的にヲタク席→ファミリー席→ヲタク席と、遠目に見ても視覚的にわかるほど、まるで沖縄の海のように色合いが分かれているのである。それとも「男性が一人で申し込んだら3列目から12列目に座らせない」という主催者側の配慮であろうか。

     「ママ、なんであそこのおじさんはおじさんだけで見に来てるの?」

     「しっ!指を指しちゃだめよ」

     「ママ、なんであっちはおじさんが一人で見に来ているの?」

     「あの人たちは中年ヲタクなのよ」

     「ヲタクってなあに?」

     「そんなこと知らなくていいの。あ、目を合わせちゃダメよ」

第1部が終わり15分の休憩。ロビーで「M14さんですか?」。今日、来ることになっている人で残っているのは一人しかいない、こっちよ!さん。
主人公は一流大学を卒業した血気盛んな新聞記者。手柄を焦る余り大失敗をして「少し頭を冷やしてこい」と地方支局に左遷になる。すっかりくさっていると、たたき上げのベテラン記者の源さんが声をかける。「ここには大都会みたいな大きい事件はないよ。でもそれだけが俺たちの仕事じゃないと思うぞ。外回り行くか」自転車に乗って町に出る。酒屋のおやじが、農家のおばさんが源さんに声をかける。大型スーパーができて売り上げが減った、冷夏で野菜が育たない、ベテラン記者は丹念にメモを取る。「なんだよ、愚痴を聞いてるだけじゃないか」主人公はますます田舎が嫌いになり家に帰ってしまう。翌日の朝刊、源さんの記事が出る。「な、なんだ」新聞を持つ主人公の手が震える。酒屋のおやじの愚痴は、大型スーパーによって駅前の小売店が廃業し買い物に困る高齢者の問題に言及。農家のおばさんの愚痴は、有害な農薬の心配から安い輸入野菜より割高でも安心な国産野菜が売れていることとそれに対応できてない農業行政を糾弾している。「源さん、オ、オレがまちがってました。オレは...」頭を下げる主人公。「こんな記事、誰でも書けるって。人間いくつになっても、死ぬまで勉強だ。ま、ぼちぼち行こうや」主人公の肩をたたく源さん。その後、飲み屋の親父が源さんに持ってきた情報から地元の暴力団と市役所の癒着を二人で命がけでつきとめ、中央政界を揺るがすスクープを手に入れる。「おまえはこれを持って本社に帰れ」「だってこれは源さんが」「俺はここが好きなんだ。それに...ここはおまえがいる所じゃない」「源さん...」「たまには顔を出せよ。飲みに行こうや」「くうっ...ありがとうございました...」「泣くなよ」「源さん、そういえば俺は源さんの名前を聞いてなかったです」「ん?こっちよ!だ」という感じの方です、こっちよ!さんは*1
あと、とんかつさんやオーロラさんら沢井党mixi支部の重鎮にもお会いしたが、私の拙い表現力では彼らの人となりを伝える自信がない。もっとたくさん文章を書いて、本もたくさん読んで、人生経験を積めばお伝えできる日が来るかもしれない。みなさん、テンションが高くて、沢井美優をはじめご自分の好きな人や好きなものに一途で純な素敵な男性であることだけ書いておこう。出待ちをしているときにオーロラさんがつぶやいた一言。

     美優ちゃんはスポーツ少女なんですよね。良くも悪くも

これが沢井美優の魅力と沢井美優の現在を的確に表わしていると思えて耳に残っている

*1:長いよ、どんだけ長いんだよ。よくわからないし