act8再見

act8ではゲス野郎だと思ってた火野レイの父親だが、そこから半年後のact34では自分をさけているレイにどう接していいかわからないだけの、けっこういい父親だったのがわかる。最後の教会のシーンで立ち去るレイに対して、娘のことを考えてない父親だったら「そうか」で納得しないからね。で、レイが父親の本当の気持ちを知るのが、タクシーの中での秘書の西崎との会話だ*1。西崎はいつも代議士である父親と行動をともにしているので、父親のレイへの思いを誰よりもよくわかっている。
それならact8に出てくる初代の秘書はどうだったんだろう。放送当時は「おまえも父親とぐるか」と思ったのだが、act34を前提に初代秘書の言動を見直すと別のドラマにならないか。

     秘書「お父様がもうレストランに向かわれたわよ。レイさんも急いで」

     (部屋に入ってくる初代秘書)

     秘書「それと今日は取材も入ってるからそのつもりでね」

     (レイの手を取る初代秘書)

     レイ「取材って?」

     (レイを引っ張っていく初代秘書)

     秘書「理想の親子って記事ですって。さあ、行きましょ」

     レイ「ふん!」

     (初代秘書の腕を振り払うレイ)

     レイ「理想の親子ですって?(中略。北川景子のヤンキー演技炸裂)」

     秘書「レイさん...」

     レイ「なにが理想よ。こんなことをするのも政治家のイメージを気にしてるだけのくせに」

     秘書「レイさん、お父様はそんなつもりじゃ」

     レイ「出てって!」

     (初代秘書に寄り切りをするレイ)

     秘書「レイさん、落ち着いて!」

     (まことのぶちかまし

初代秘書は父と娘が離れて暮らしていながら「理想の親子」と呼ぶことに疑問を持たないのもどうかと思うが、仮に私がレイ一家と同じ境遇になったら、やはり私の親に子どもを預けざるを得ない。おそらく秘書にとっては十分に納得できる父親の行動のはずであり、父親の娘への思いもわかっているなら彼女から見れば「理想の親子」としての資格は十分なのだろう。また秘書のレイに対する態度も、それほど扱いにくい子どもを相手にする風でもない。だから、ここでのレイの反発は意外であり、レイが父親のことをそのように思っていたことを初めて知ったのだろう。
それを前提に二人の会話を見ると、世間体のためなんでしょと言うレイに対して秘書のセリフ「お父様はそんなつもりじゃ」は感慨深い。act8を初めて見たときはただの言い訳にしか聞こえなかったが、実は初代秘書も西崎と同じことを言いたかったんだ。「レイさん、雑誌の取材っていうのはただの口実なのよ」と。