検証・これが実写版の台本だ!−act41(最終回)

最後にネフライトと亜美に触れておこう。この台本が放送ではなぜあのようなシーンになったんだろう。変更する理由がまったくわからない。台本ではいいシーンでも、実際に役者が演じてみるといい絵が撮れないことがあるのだろう。この少し前に「モップで床を突く」とあるのでネフリンはモップを上下に動かしていた。これは持ち方よりも動かし方の問題だ。だから台本では手を添えて動かし方を教えてあげる。ネフライトが持つモップに自分の手を添えてしまう水野亜美の無防備さがほほえましい。
その亜美を見てネフライトダーキュリーを思い出す。ここはネフライトが亜美=ダーキュリーと知っていて「こいつにまた情けをかけられた」と思ったと信じて疑わなかったが、Leo16さんが亜美の正体を知らなくてもこのシーンが成り立つ可能性を示唆されていた。つまり「あのときのように、また娘っ子に同情されるとは」ということだ。台本ではどっちとも取れる、結論は出ない。ネフライトは「無様な」と言って逃げ出す。だが、この少し前のト書きに「近くにある亜美の顔から」とある。ダーキュリーのことを考えてふと我に返ったら亜美の顔が自分の顔のそばにあって恥ずかしくて逃げ出したという面もあるように思う。う〜ん、やっぱりこっちだよ、台本どおりが見たかった。なお、駆け出すネフライトがモップのバケツにつまずくのは台本にない撮影時の細かい演出だ。高○監督ならバケツに頭からつっこませたにちがいない。このネフリンと亜美の関係は以降の台本でまとめて検証する。
駆け足でやりますと言ったわりに10回になってしまったが、それでも駆け足なのだ。今回、紹介できなかったシーンはまたいつかやりたい。