序章−科学の彼方に(後編)

もう一つ、テレビの討論番組での知識人の反論は

     「ここでやって見せろ。俺の前で出してみろ」

科学の立場では正しい発言である。科学には再現性が求められる。

     ・その存在を確認できるもの

     ・再現できるもの

これらに対して「説明できる」ようにするのが科学の仕事だ。つまり、

     ・その存在が一部の人にしかわからない

     ・再現できない

ものは科学では扱えない。つまり再現できないから非科学的なのではなく、普遍性と再現性が無いものに対して科学は無力なのだ。200年前に量子力学を唱えた天才がいたら、彼以外の誰にも理解できず実証する設備もなく、その時代の知識人に「非科学的」のレッテルを貼られただろう。つまり科学で説明できないのではなく、あくまでも「その時代の科学では説明できない」だけなのである。
かといって、私はテレビや本で語られる幽霊話をすべて鵜呑みにしているわけではない。ただダーウィンフロイトを糾弾した当時の宗教家と自分たちが何ら変わることが無いことに気づいていないエセ知識人たちを許せないのだ。
(つづく)