梅雨のビデオまつり

良作の感想を書いた後で駄作の感想を書くのはつらい。よって良かった順に書いていく。
      -1,800円
ついに出た! マイナス1,800円。いくらタダで見られるといってもこれはひどい。もう突っ込みどころを書いていたらそれだけで3日分の記事になってしまうほど。ストーリー、演出、カメラワーク、BGM、すべてがダメ。途中から主人公の目に余るヘタレぶり、そのわりに態度がでかくてわがままなので「そうか、これはラストで主人公がひどい目にあうのがカタルシスになる映画なんだ」と思ったら悪役がそれ以上にヘタレで簡単にやられちゃった。なのでストレスの行き場がない! 見るなよ、絶対だぞ。と書くとみたくなるだろ。でもストレスしかないよ。しかもポスターからして嘘だからね。


      500円
昨年に封切られた「SAW」シリーズの最新作。ジグゾウの意思を引き継ぐ新しい悪者が出てくるのかと思うじゃない。前半は模倣犯は誰なのかという興味で引っ張る。ところが中盤でジグゾウ本人が登場。なーんだ、ジグゾウかあ。って、10年前に死んでるだろ。これはどうなってんの? 弟とか、クローンとか。最後はすべてが合理的に解決される。これはSAWの続編ではなくて、SAWを題材にしたミステリーかよ。


      1,000円
あまり期待しないで見たら中盤まで意外に良かった。やはりホラー映画はなんだけわからないのが怖い。家族に関する意外な事実が明らかになって、どんでん返しが2回もあって、なかなかの話。エンドロールを見たらこれの原作は「リング」鈴木光司だって。なるほど。だが脚本が原作を生かし切れておらず終盤のバタバタ感が残念。


      1,800円
才能も努力をする気もまったくないが女優になれると信じて疑わないイタイ姉が佐藤江梨子。オタクの妹が佐津川愛美。この姉妹の腹違いの兄が永瀬正敏、その嫁が永作博美。後ろの3人が芸達者なので逆に佐藤江梨子が良い意味で引き立つ。これはうまい配役。ほとんど表情が無い佐津川愛美がとにかくうまい。この人はもっと売れてもいいんだがなあ。Wikiで見たらもう29才か。自動車事故で急死した両親の葬儀で姉が田舎に戻ることで起こる騒動を描くブラックコメディ。


      1,800円
以前に見た「アヒルと鴨のコインロッカー」と同じスタッフによる伊坂幸太郎原作の映画化。あと5時間後に彗星が地球に衝突し地球の終わりがくる世界から映画が始まる。無関係そうな時制の違う4つの話が並行して描かれ「ある歌が地球を救う」ということはわかっている。だが歌が地球を救うとはどういうことなのか。大森南朋ルート、伊藤淳史高良健吾ルート、多部未華子森山未來ルート、濱田岳ルート、どれも面白いのだが、エピローグで時間順に並べ替えたダイジェストが流れる。そこで誰かの会話にだけ出てきていた人物も明かされ、それを見ると地球を救ったのはあの人で、その人の命を救ったのはあの人で、あの人の両親はこの人とあの人で、でもある出来事がないと二人は結婚しなかっし息子をそういう風に育てなかった。そうなったのはあの人が聞いたあの歌の影響。やっぱあの歌が地球を救ったのか。各ルートの主役がみんないい味を出しているよ。