老人の日映画まつり「B級映画2本」

新宿武蔵野館でやってたドイツ映画のこれ。
     
主人公は気弱で友だちがいない青年。あるきっかけでハッカーの3人組と知り合いその仲間に加わる。この青年、じつはコンピュータの天才で4人はつぎつぎと大企業や銀行のホームページを改ざんする。そのためにはターゲットの建物に忍び込まなければならないらしく、そこが前半のスリリングな点になっている。そこまではいらずらだったが、ハッカー仲間の間ではカリスマ的な存在の人物に認めてもらいたくて難攻不落と言われた連邦情報局に侵入する。そこから持ち出したデータが元で4人は命を狙われることになる...ラストで大どんでん返しがあり、「そう来たか。あれはこの伏線かあ」と唸ったが、そのあとでさらにどんでん返しがあり、これはまいった。物語はリアルタイムに進行するのではなく、自分を保護して欲しいと主人公が連邦情報局に行き、自分が仲間になり、最後に仲間が全員死ぬまでを捜査官に語る形式になっている。じつはこれがラスト2回のどんでん返しを可能にしているのだよね。凝りに凝ったストーリー、夜のドイツの街並みを中心にした映像の美しさ、これは単館上映ではもったいない。お勧めの映画だが、唯一の欠点は主人公が思いを寄せる女性がぶさいくなこと。
     
ドイツ人の基準では美女なんだろうね。日本人の私にはわからない...
2本目はこれ。
     
同僚がこれを観に行ったら満員で入れなくて、代わりに大島優子の「ロマンス」を見たら途中で寝たという因縁の映画。私は上の映画を見終わってすぐ、2時間前にチケットを買ったが、上映時は満員だった。主人公は警察無線を盗聴し、交通事故、火事、殺人の現場に急行し撮影、それをテレビ局に売り込むのを仕事にしている。テレビ局はどんどん刺激の強い映像を求め、主人公もそれに答えようとするが、そうそうショッキングな映像が撮れるわけではない。ある日、強盗の知らせを傍受した主人公は警察より早く現場に到着し...その先は書かないが、お察しのとおり主人公はどんどんダーティになっていくわけだ。こうなるときっと最後は悲惨な死に方をするんだろうなと思うだろ。なんでハッピーエンドなんだよ! 主人公が夜の街を車で現場に向かうところが疾走感があり、クライマックスは犯人の車をパトカーがカーチェイス、その後ろを主人公が追いかけるところなんか、なかなか見応えがある。でも...毎回満員になるような映画か?
2本ともいかにも低予算で作った映画なのだが、先週に観て大いに不満だった「天空の蜂」に比べると緊張感やドライブ感がずっと上なんだよなあ。具体的にどこがどうというのは書けないのだけど。
観てはいないけど、すごい作品があったよ。
     
こんなの誰得なんだよ。