ドラマ「死化粧師」はセーラームーンを超えた低予算ドラマだ

モップガール」の内容にまともに触れてないのは、私のブログを見に来る人はみんな見ているだろうからだ。今日は金曜日夜のもう一つのお楽しみ、安倍麻美出演の「死化粧師」の紹介をしよう*1
主人公は父の意志を継いで海外でエンバーミングと呼ばれる死体修復技術を習得し日本に戻ってきた。父の友人(小野寺昭)が院長をやっている病院で昼は院内の掃除をしているが、エンバーミングの依頼があると裏の教会の地下室で作業を行なう。もともとは遺体に消毒と防腐を施し長期保存をする技術で、ケネディやマリリンモンローの遺体も保存されているという。主人公はそれに加えて故人が眠っているだけかのように特殊メイクをすることができる。遺族は元気だったころの故人と最後の別れをして悲しみを和らげることができる。この部分にドラマのクライマックスがあり、けっこう泣ける。ただし、遺体に手を加えることは犯罪であり、本人か家族の承諾が必要。また主人公の行為は欺瞞と呼べなくもない。そこで主人公の正体は秘密にされていて、院長と、エンバーミングに反対する医師の国生さゆり、遺族にエンバーミングを紹介する葬儀屋の青年の3人しか知らない。
このドラマは実写版セーラームーンと同じ30分だが、患者が病院に来て死んでエンバーミングして遺族が対面するだけなので時間的にはちょうどいい。それよりこのドラマの特徴、1回見ただけではわからない。2回目あたりで気がつき、3回目で確信に変わる。このドラマは

     おそろしく低予算だ...○| ̄L...

これに比べたら実写版セーラームーンなどぜいたくもぜいたく。死化粧師を吉野家の牛丼とすればセーラームーンペッパーランチ霜降りステーキだ*2。まず、出演者が少ない。ドラマの半分は病院の中。大けがをした救急患者が運び込まれたり癌の手術をする大病院のはずが、医者は小野寺昭国生さゆりの2人、看護師は安倍麻美を含めて3人、入院患者に到っては1人しかいない。たった6人しかいないのに、葬儀屋はよく廊下を歩いている。この病院に来ると、7分の1の確率で葬儀屋と出くわすわけだ。こんな病院に来たくない。しかも画面に映るカットや院長室、診察室、ナースステーション、廊下、前庭の5ヶ所だけ。主人公への仕事の依頼は携帯電話にメールが送られてくる。そのとき、主人公は必ずダーツバーで女の子と遊んでいる。ほかに行くところはないのか。「オレ帰る」「え〜もう終わり?」「行かなきゃ。天使が待っている」ここまではいつもの展開。その先はなんと

     手術バンク

特撮映画には変身バンク、技バンクがつきものだが、このドラマは特撮でもないのに手術バンクがある。依頼を受けた主人公がシャワーをあびる→夜の教会に向かって歩いていく→塔を見上げる→ドアを開ける→奥の祭壇を見上げる→地下室に入り手術着を着る→ゴーグルを付ける→戸棚から道具を出す→管の中に血液の代わりに注入する防腐剤。このあたりが毎回使い回し。先週でもう5回になるが、エンバーミングって実際にどういう処置をするのか視聴者は誰も知らない。
ここまで読んでみなさんは疑問に思われなかったかな。なんでこんな低予算のドラマに小野寺昭が出ているのかと。私も疑問だったが

     第5話で死んだ

ヲイ!*3

*1:http://www.tv-tokyo.co.jp/shigeshoshi/

*2:でもペッパーランチなのね

*3:この病院の医師は国生さゆりだけかよ