安座間美優「世界制覇への道」

昨年末に私も見に行った八重洲のイベントの記事をたまらさんが書いた雑誌が発売になったそうだ。雑誌といってもふつうの本屋には置いてないような建築業界向けの雑誌らしいので、お茶の水にでも買いに行くかと思っていたら、たまらさんが送ってくださった。それにしても、こんな雑誌にどうやって安座間美優の記事を載せることができたのか。
そもそもセブンティーンにしてもノンノにしても、安座間美優が載っている雑誌の特集はこんな感じだ。

     地味顔返上アイメイク

     印象自在のギャップヘアがお得

     「旬服おしゃれ」8つの方程式

この雑誌の特集は

     デシカント方式による24時間セントラル換気ユニット

     気水分離式による循環給湯用鋼管の腐食

     医療施設における空調・衛生設備

だ。堅い、堅いぞ。話も堅いし、取り上げている製品も堅そうだ。みんな鉄でできている。デシカントってなに?この手の雑誌は個人が本屋で買うのではなく、企業が購入してマガジンラックに入れておいたり社内で回覧するものだ。広告もすごい。製品名や発売元も初めて聞く名前だし、そもそも何に使うものかわからないものばかりだ。

     地球の重力に頼らない真空吸引方式

     多くの場所で人知れず活躍しています。

     空調機ドレンセントラル排水システム「ドレンスィーパー」ジャンボ/ミディアム/クォーター

そう、きっと私の会社とかスーパーや駅で使われているのだろう。まさに人知れず活躍している、セーラー戦士のようなメカなのだ。ドレンってなに?*1みなさんの会社にもミディアムサイズあたりを1台どうだろうか。
たまらさんが付箋を貼っておいてくださったところを開くと、おお、安座間美優がクローバーの鉢植えを持っている写真がある。B5版*2の紙面の下半分。左側が記事で、右側の2/3くらいが写真だ。ひどく場違いだ。なにしろ、この雑誌に出ている女性の写真はここと、高齢者用の手すりの取り付け例に出ている女性の写真のわずか2枚だ。ところで、たまらさんとの約束でこの雑誌の名前や出版社は明かせない。興味がある人はここまでの情報から本屋で探してね。
さて、安座間美優の記事であるが、なるほど、そういうわけか。これは記事広告なのだ。記事広告とは、広告主の製品を雑誌の編集部が評価して紹介記事を書くことだ。で、ここの広告主は、あのイベントを企画した会社。つまり、この記事は安座間美優やイベントの紹介ではなくて、この企画会社の紹介記事で、ここが実施した最近の事業の例として八重洲のイベントを取り上げているわけだ。全文は無理だが、抜粋してたまらさんの力作を紹介しよう。

     ○○○は、都市の再開発や施設の改修工事に伴い、イメージアップや情報を活性させるためのイベントを企画、提案、実施している。

     最近の実績としては、「日常の幸せ再発見!」をコンセプトに共同プロジェクトを発足。昨年12月23日から31日まで(中略)

     このイベントのオープニングセレモニーでは、(略)東京駅駅長、(略)鉄道会館社長、non-no専属モデルの安座間美優による

     テープカットが行なわれ、その後期間内先着50名に四葉クローバー1鉢を無料でプレゼントした。

     (中略)

     ○○○では、今後も企業や自治体の要望、場所、事情に応じて(中略)地域の活性化や情報化を目指していきたいとしている。

     ■URL:http//www.○○○.com



     (安座間美優の写真)

     四葉クローバーを手にする安座間美優

あくまでも企業の紹介なので「安座間美優は沖縄出身で・・・」などと書くことは許されない。「実写版セーラームーンセーラージュピター役を・・・」などとうてい無理な相談だ。だが、私はこの記事の中に、たまらさんがその制約条件の中で仕込んだ渾身の一撃を発見した。編集長の目をかいくぐり活字になったが、安座間美優に思い入れの無い人だったら絶対にこんな書き方はしないという一文だ。みなさんはおわかりか。ここだ。

     (安座間美優の写真)

     四葉クローバーを手にする安座間美優

この記事の優先度は、広告主>事業内容>八重洲のイベントだ。この写真の解説は、本来ならイベントの解説になっていなければならない。たとえば「好評を博したイベントの模様」とか「会場には○万本のクローバーが植えられた」だ。それが「四葉クローバーを手にする安座間美優」だ。よく考えると、すごく場違いなのだ。この表現をする場合は、安座間美優がすごい有名人で、「○○○はあの安座間美優をイベントにアテンドすることに成功した」のニュアンスを伝えたいときくらいだろうか。
そんなわけで、この雑誌を読んだ建築業界の人の前頭葉には安座間美優の名前が確実に刻み込まれたに違いない。これでまた一歩、野望に近づいた。たまらさん、ありがとう*3

*1:いちいち疑問を持たないように

*2:ヤンサンの大きさね

*3:今日の日記は、雑誌の内容をどこまで明かしていいのか、たまらさんしだい。後から途中をごっそり削除するかもしれません