検証・これが実写版の台本だ!−act42(その8)

クラウンでうさぎが特訓をするシーン。ふかしたじゃがいもが苦手なまことに続いて、うさぎは炒めたレタスが嫌いだ。食材そのものが嫌いなのではなく、調理方法が嫌い。にんじんが嫌いとかピーマンが嫌いとしなかったのは、番組の対象年齢であるお子様への配慮だろう。あと、ピンポイントの嫌いなものがあって、わざわざそれを用意して食べるということにおかしさがある。アニメ版の番組前半はギャグがてんこ盛りだったが、人間がそれを演じるのはかなり難しい。今回のように設定そのものにおかしさがあり、それを役者が真面目に演じることで笑いが生まれる。これがドラマのおかしさであり脚本家の知恵であろう。演技力の無いタレントやアイドルにドタバタ劇を演じさせるドラマが少なくないがあれは見ていて痛い。一昨日の植木等の話ではないが、喜劇を演じるのは悲劇を演じるより難しい。「レタスはやっぱ生でしょー」と沢井美優が甲高い声で叫ぶのが実にいい。なお、私は熱したトマトが苦手だ。
さて、放送ではわからないが、このシーンには次のシークエンスがある。

     1.見ているレイ達は苦笑

     2.まこと達から苦笑が消える

     3.一同でうさぎを取り囲んで応援する

     4.笑顔の5人

つまり、炒めたレタスを食べて何になるのだと馬鹿にしてたレイやまことが、あまりのうさぎの必死さに心を打たれて応援するという流れだ。放送では1が明示的に描かれてないので、3でまことが真顔になるのがある種のギャグになっている。これはこれでありなのだが、act42以降の展開がわかっているだけに視聴者としてはこのシーンはきっちりと見たかった。とくに最後の「笑顔の5人」は泣ける。この回を境にして、3人と1匹はうさぎから離れていくのだ。
(つづく)