「水に棲む花」レビュー(その3)

「チェリーパイ」での北川景子の神のような演技に感動し3連チャンしたのは万丈さん。昨年の作品ならともかく、この「水に棲む花」の撮影はセーラームーン放送終了の直後である。最終話近くになるとさすがにact3のころのようなぎこちなさはなくなったが、それでも「いまのはどうだろう」というセリフや表情があった。この映画もその延長上だろうと考えていたが、うれしい誤算。

     【水に棲む花ワンポイント講座5】

     「北川景子の演技はセリフ、表情、動作とも完璧である」

     ・・・どうしたのこの進歩は?

一カ所だけ、プールの水面に立って前田亜季と話すシーンの手が所在なげだったのが気になったが、これは演出の問題。この映画の制作のころは北川景子の情報がまったく発信されなかったので、撮影の苦労話などはわからない。だが、セーラームーンの40話台と比べても格段の進歩である。いや、北川景子ではなく、これが低予算ドラマと映画の違いなのだろうか。とすると、小松彩夏の「ドリフト」や「マスサン」も見た方がいいかな。また出費がぁ。
以前、北川景子のブログで、自分が役のイメージどおりと思われているのがイヤだと書いてあったことについてコメントを述べた*1。同じ主張の繰り返しになるが、「水に棲む花」を見て私はさらに確信を深めた。

     【水に棲む花ワンポイント講座6】

     「北川景子よ、恐い女、強い女の役を恐れるな」

     ・・・水に棲む花と関係ないじゃん

これほど美しく冷たく恐ろしく、それでいてすぐに折れてしまいそうな弱い内面を持っている女性を演じられる二十歳の女優はいない。別に一生こういう役をやれとはいわん。菅野美穂だって昔はホラー映画や偏執狂的な女性の役ばかりだったではないか。そして北川景子には菅野美穂にはない殺気に満ちた冷たい美しさがある。何を迷っているのだ、これこそ沢○エリカになくて君にあるものではないか。
この映画、そんな北川景子の成長と可能性を愛でるために見れば、けっして損はない。あと前田亜季ファンはスク水がふんだんに出てくるので必見。北川景子のはないよ。