瞬間最高視聴率

王様のブランチに「TBS瞬間最高視聴率ランキング」というのがある。1週間の名場面や名シーンを視聴率とともに振り返る王様のブランチのメインコーナーだ。この最高視聴率に異議がある。いや、最高視聴率そのものに異議はない。どんな番組だって高いか低いかは別にして最高視聴率は存在する。問題は、その瞬間の意味である。つまりどんどん視聴者が増えて視聴率が最高点に達したわけだが、別の見方をすれば、その瞬間を最後に視聴率が下がるわけだ。
たとえば、エンタの神様ドランクドラゴンの後に10時40分ごろマイケルが出たとしよう。視聴者の大多数はマイケルの出番が終わるまでチャンネルをブロードキャスターに切り替える。3分くらいしてチャンネルを戻すとスピードワゴンが出ている。視聴者は再びブロードキャスターにチャンネルを戻す。時計を見るともう10時50分。そのままエンタの神様に戻ることはないわけだ。この番組の最高視聴率はマイケルが出た瞬間ということになる。これは極端な例だが、瞬間最高視聴率とは視聴者が呆れかえって、または我慢の限界になってチャンネルを切り替えるかテレビを見るのをやめた瞬間とも言えるわけだ。そのような視点で見ると、あのランキングの半分くらいが納得できるものであるのが怖い。