検証・これが実写版の台本だ!−act34(その5)

ほかにもクラウンの廊下での元基とまことの会話などカットされたシーンがあるが、こちらはDVDの特典映像にそのままあるので省略する。それにしても元基は、まことに振られても夜食を差入れし、一緒に迷子を捜し、まことの正体を知っても誰にも言わず、ひたすらまことへの無償の愛を貫いている。本当に立派だ。映画版ライダーに抜擢されたのもうなずける*1
もう一つ亜美ママ関係のカットされたシーンを紹介しよう。台本上のアバンは次のようになっている。

     【シーン1】人ルナのナレーションと前回の回想シーン

     【シーン2】亜美のマンション

     【シーン3】道を一人で歩く亜美

     【シーン4】教会にいるレイ

     【タイトル】ひとみは〜いつ〜もじゅえる〜

このシーン2がカットされている。

     【シーン2】亜美のマンション・居間

     冴子が戻ってくる。ホワイトボードは白いまま。

     冴子「やっぱり帰ってない・・・」

亜美が戻ってないのは視聴者はわかっているので、このシーンは無くてもいいのだが、

     【シーン18】亜美のマンション・居間

     イスに座って携帯のメールを見ている冴子。

     亜美の声「心配しないで下さい。少し考えたら帰ります」

     空白のホワイトボードを見つめる。

     イメージとしての幼い亜美が、一生懸命*2ボードに伝言を書く姿が見える。

シーン2の空白のホワイトボードがシーン18の空白のホワイトボードにつながる。いままで亜美ママが亜美のいないマンションに帰ったときは必ず亜美からの伝言がホワイトボードに書いてあったわけである。だがら空白のホワイトボードの持つ意味はひどく重い。そして、そのホワイトボードに今の理解できない亜美ではなく、幼い頃の亜美の幻を亜美ママは見るのである。
(つづく)

*1:それは中の人の話だろ

*2:一所懸命のまちがいだな