壮大な伏線(中編「一人じゃないまこと」)

昨日の伏線は原作にもある、いわば約束された伏線だったが、今日は実写版オリジナルの伏線を見てみよう。つまり視聴者が後から振り返って伏線だとわかったものである。
act5は舞原監督と浜千咲が作り出した名作であった。私は途中で「うさぎ、アホもほどほどにしろ」と怒りに震えたが、最後の

     「あ、その呼び方のが亜美ちゃんらしくて好きかも」

の後に見せた沢井美優の笑顔の上手さに免じてうさぎを許した。*1最後に亜美がまた屋上で昼飯を食っているのも良かった。そう、レイが言うとおり

     「そんな急には変わらないって」

なのだ。その幸せな気持ちを粉砕したのが予告編の

     「いつも、最後は、ひとりだ」

だ。この安座間美優の破壊的な棒読みで次の土曜日が恐かったが、映像が付いてエコーがかかるとそれほどひどい演技でもなかった。それどころか土曜日の朝っぱらから私は幼児番組を見て泣いてしまった。ちなみに、この回の予告編「追ってはだめ」でまた暗い1週間を過ごすことになるが、当日は動いている小松彩夏を見られたうれしさでセリフのことなど忘れた。*2木野まことは遠のく意識の中で両親をはじめとする自分の前から去った人たちを思い出す。そしてこのセリフになるわけだ。そこへセーラームーンが現われてセーラージュピターの誕生となる。*3この時点では夢に出てきたチビまこを、あと2回も見るとは思わなかった。*4次に我々がチビまこに会うのはact31のジュピター覚醒回である。
なにしろact6以来の単独メイン回だ。元基とのデートの恋の行方も気になる。じゃがいもの成果は出るのか。高○監督で大丈夫か。妖魔に追いつめられ、いよいよジュピター覚醒だ。

     「だから私は一人でいいんだ」

なんじゃこりゃ。おいおい、それが覚醒した理由じゃ悲しすぎるよ。木野まことは満ち足りた顔をするんじゃない。狂ったか小林靖子。そして、この回を皮切りにシリーズ後半の「前世編」に突入する。その後、プリンセスセーラームーンとか前世代表の美奈子VS現世代表のレイのバトルとかゾイサイトが死んだりとかいろいろあったが、まことと元基の仲が付かず離れず進行する。これは重たい展開のシリーズ後半に添えられた清涼剤のようなもんだと思ってたら、我々はact46で再びチビまこに会うことになる。

     まこと「戦士の力が目覚めたのは...一人じゃなかったからだ」

現世の自分を大切にすることを決心したことによって戦士の力が目覚めた美奈子と同様に、戦士の目覚めは決して現世での過酷な運命を強いるものではない(らしい)。レイの覚醒回を見て「どうやら自分の欠点を克服すると覚醒するようだ」と予想していたのがact31を見て裏切られたが、act46まで見るとまこととレイはまったくと同じパターンであるのがわかる。act31はact46のための伏線というかミスリードだったのだ。深い、深すぎる。act6からact31を経てact46で畳まれた、実に8ヶ月を隔てた伏線。これを理解できた幼児はいるのか。

*1:おまえは何を偉そうに

*2:前にも言ったが小松彩夏のアニメ声の棒読みは中毒症状を引き起こす

*3:いきなりコスプレした人が出てきて「変身して」って言われてもなあ

*4:なお、act6の時点では安座間美優よりチビまこの方が演技力が上だった。act10の時点では北川景子よりチビレイの方が演技力が上だった。ん〜侮りがたし子役