真夏の映画まつり

バラバラに取った夏休みの最後の日。バラバラすぎて今年は夏休みを取った気がまったくしないんですけどー
     
ダンケルクの海岸に残された40万人の兵士を救出する話。舞台とかテーマの好き嫌いはあろうが、映画としての完成度が群を抜いている、まさに「ザ・ムービー」という作品。なぜこれを夏休みに公開しなかった。一人の青年の視点から脱出する人、船を狙うドイツの戦闘機と戦うイギリスのパイロット、同胞の救出のためにダンケルクに向かう民間人の船。この3つの視点を切り替えながら迫力のある映像と音楽で最後までまさに息をつく間もない。ダッ、ダッ、ダッという重低音のBGMが腹に響く。3つの視点の主人公が最後は一つに集まりクライマックスを迎える。ポスターの青年、ずるい方法で船に乗り込むので悲惨な死に方をするのだろうなと思ったら最後まで生き延びてやんの。ただ、ふつうに海岸で待っていれば救出されたのに乗った船が2回も沈没して余計な苦労をすることになる。


     
黒沢清監督の最新作。地球の侵略のために3人の宇宙人が日本に来る。この宇宙人、身体が無くて誰かに憑依する。そして地球人を理解するために人間から「概念」を奪うことができる。「仕事」とか「家族」とか「所有」とかね。そして侵略のための「通信機」を組み立てていて、これが動作すると地球の侵略が完成する...ラストがわかりにくいが、人間が持っているすべての概念を宇宙人が取得したらその宇宙人はどうなるかというのがオチね。


     
役所広司は殺人犯で罪を認めている。彼の弁護士が福山雅治。最初から殺人を認めているのに2時間の映画が成立するのか。そこでポスターを見ると方向性がわかるでしょ。最後はあえて真相が明示されないで終わるのでモヤモヤするが、でもそういうことなんでしょというのは苦もなくわかるようになっている。この映画のテーマは「法廷とは真実を明らかにする場ではなく、裁判官、検事、弁護士の3者が納得する落としどころを見つけること」のようだ。