場所は会社の喫煙室。出席者は私とS君（30才、妻帯者、元ヤンキー）、T君（30才、独身、ちょっとオネエ）。
私「だいたいよ、ポップコーンって映画に向かいない食い物だろ。音は出るし匂いもあるし」
T君「この前、珍しくポップコーンが食べたくなって持ち込みましたが、すごく気を使いましたよ」
S君「だいたい、なんでポップコーンなんですかね」
私「アメリカ人は大騒ぎしながら映画を見てるだろ。叫んだり大笑いしたり。だからポップコーンなんか気にならないんだよ」
T君「なにを食べながら見るのが正しいんですかね」
私「饅頭は？ あれは音が出ないし匂いもない」
S君「１個でしょ。予告編の間に食べ終わっちゃいますよ。３個も食べたら気持ち悪くなりますよ」
私「たしかにポップコーンはフガフガしてるから腹にたまらないな」
T君「お腹にたまらないで、ずっと食べていられるのが条件ですね」
私「かっぱえびせんは？ あれこそジャパニーズ・ポップコーンにふさわしいだろ」
S君「あれも音が出ますよ。固いからポップコーンよりうるさいでしょ」
私「じゃあ、羊羹は？」
T君「あれもそんなに食べられません。和菓子からは離れましょ」
S君「おしんこはどうですか？」
私「あればっかりそんなに食えないだろ。のどが渇くよ」
T君「和菓子ですけど、京都の生八つ橋はどうですか？」
S君「ニッキの匂いがけっこうするで」
私「意外とないもんだな。良い食材を考えてTOHOシネマズに持って行けば．．．」
T君「無料券をもらえますかね」
私「いや、シネマイレージを１ポイントくらいだ*1」
S君「急にやる気が失せました」
私「ずっとポップコーンが売られている理由がわかった気がするな」
S君「笹かまぼこはどうですか？ 一つ一つビニール袋に入っているやつなら手が汚れないですよ」
T君「でも３個くらいが限度だよね」
私「ちょっと待て。そこからの連想だけど、ちくわはどうだ？」
S君「ちくわ？」
私「あれなら穴があいているから、かまぼこよりは腹にたまらない」
T君「．．．仕事に戻りますか」
私「待てよ。穴にきゅうりとかチーズを入れたらバリエーションが」
S君「仕事に戻りましょう」
私「仕事に戻るか」
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