冬のビデオまつり

今回はなかなかの佳作ぞろいだぞ。
     
興行成績は良くなかったらしいが、これは面白いぞ。エンターテイメントとして必要な要素がぜんぶ入っている。何を考えているかわからない濱田岳と、二枚目なのにヘタレな岡田将生が最高。ヒロインが実に中途半端な美女で、どこかで見たと思ったら馬子先輩だった。人生を斜に構えた深田恭子もいい味だ。

     
世界侵略:ロサンゼルス決戦」のタイトルで観に行かなかった人が多いのではないかと思うが、これも佳作だ。地球を侵略するために異星人がわんさか来る。「インディペンデンス・デイ」みたいに異星人との戦いと言えば空中戦だが、これは白兵戦。人間よりちょっと強いが不死身では無い。この設定がなかなかイイ。後半は胸熱の展開になるが、これって異星人ではなくてもいい、ただの戦争映画だと気づいた人は偉い。

     
原作は「コンセント」と同じ田口ランディ。前作がなかなかだったのでこれも見てみたが、わかりにくい原作がさらにわかりにくくなった。家族の再生がテーマだというのだけはわかった。

     
ただでさえB級感が漂う「G.I.ジョー」の第2弾なので映画はヒットするわけがない。だが、一作目よりはるかに面白い。内容は薄いが最後まで楽しめる活劇だ。前作はG.I.ジョー側がパワードスーツとかいろいろな新兵器を持っているのだが、二作目はそれらがいっさいなく機関銃とか拳銃。むしろ敵側が物騒でコミカル。

     
若者4人が森の中の小屋で休日を過ごす。地下室に古い本があり、それを音読すると呪文を読み上げてしまうことになってゾンビが甦る...って、これは「死霊のはらわた」じゃねえかと思うだろ。その様子が小屋や森のいたるところに設置されたカメラで研究所から監視されている。ホラー映画で最初に殺されるのは仲間から外れて森の中や物置でセ○クスをするカップルだろ。そうなるようにフェロモンが噴出されたり、ホラー映画の定石になるように研究所から操られているというメタホラーの異色作。映画を撮影するためではなく、驚きの目的があり、生き残った若者が研究所にたどり着いてからが怒濤の展開。

     
アベンジャーズ」はマーベルコミックだが、これはスーパーマンやバッドマンのDCコミック。引退したスーパーヒーローがつぎつぎと襲われる。誰が、何の目的で...前半はハードボイルドの展開で、そうか、これはそういう映画かと思ったら、黒幕の正体と陰謀に気がついた元ヒーローがそれを阻止するために復活。スーパーヒーローアクションになるという意外さ。その正体と目的がびっくりで、子どもが見ても面白くない大人向きのヒーロードラマ。

     
これもホラーの異色作。胸糞の映画なのでお勧めはできないが新しいものを作ろうという意欲はわかる。だがラストがさらに胸糞で後味の悪いこと悪いこと。

どれも観れば面白いのだが、予告編や解説では絶対に映画館には行かないだろうなと思う作品だった。こういう映画をどうやって世に出すか、なかなか難しい問題だよね。