梅雨の映画まつり「予告を積むデスロード」

行ってきたよ。有給を取って3本まとめて観てきた。「初回割り」とかで1,500円で観られたこれ。
     
最初に言っておくと、北川景子の出演時間は合計で5分もないから。ただ、父が娘を許すことができるかが一つのポイントになっていて、そこがクライマックスになっているので短いわりに重要な役。観に行く前は「奥さんが死んじゃって夫が立ち直るまでの話だろ」と思っていたのだが、ほかの登場人物のいろいろなエピソードがからまっていて最後まで退屈しなかった。佐藤浩市演じる夫は人助けをしようとか、積極的にまわりの人と関わろうとはぜんぜん思ってなくて、またそういうことが上手にできる人でもない。なのに、異分子であるこの人の存在がなんとなくまわりの人に作用して良い方向に動いていく。死後に見つかった奥さんの手紙で「下の方にある古い石が、上の新しい石を支えているように、私たちが元気でがんばっていることが若い人たちの何かのためになれば」というような言葉で結ばれる。なるほど。美瑛の四季の風景もきれいなので、とりあえず観に行って損はなし。北川景子は気が強い怒りん坊でもなく、真面目だけどずれている人でもない、第3の北川景子。なお、本編の前に「HERO」の予告編が流れた。「愛を積む人」は主要な登場人物はたった7人なのだが、そのうち3人が「HERO」とかぶっているのってどうよ*1
2本目は主人公の設定なんかどうでも良くなっている「マッドマックス」の最新版。
     
この1年で観た映画では本作の映像がいちばん迫力があった。あの鳴り物入りの「ジュピター」よりぜんぜん上。これはたとえ制作費を湯水のように使えたとしても日本では作れないね。主人公側は徹頭徹尾、防戦を強いられるのもいい。ラストシーン。悪い大将を倒して、女性の大将とマックスが凱旋をするわけよ。コロニーの住人たちの熱狂の中、人に紛れてマックスが去って行く。ここは不覚にも泣けてしまったよ。
最後はこれ。
     
この1ヶ月の間に戸田恵梨香の映画を2本も観ちゃったよ。ちなみに吉田羊は「愛を積む人」で3本目な。来月は「HERO」で4本目になる。新聞紙のマスクの犯人、もっと不気味な感じかと思ったのだが、中盤からは警察側の視点と犯人側の視点が交互になる。物語としてはわかりやすいのだが、観客はどっちにも感情移入ができないのが難点。むしろ警察側からの視点だけで最後まで行っちゃって、犯人の証言の形で犯人側のドラマをやった方が良かったのではないかな。ラストがきれいにまとまりすぎているのも気になったが、これは原作もそうだったのかな。

*1:佐藤浩市はゲスト