まずはこれを読んでいただこう。
ノーベル賞を受賞した南部陽一郎博士の理論からその存在が予測されたヒッグス粒子が、
宇宙を満たす謎の暗黒物質(ダークマター)と同じものであるという新理論を、
大阪大の細谷裕教授がまとめた。
“二つの粒子”は、物理学の最重要テーマで、世界中で発見を競っている。
暗黒物質は安定していて壊れないが、ヒッグスは現在の「標準理論」ではすぐに壊れるとされており
新理論はこれまでの定説を覆す。
証明されれば宇宙は私たちの感覚を超えて5次元以上あることになり、宇宙観を大きく変える。
ヒッグスは、質量の起源とされ、普段は姿を現さないが、他の粒子の動きを妨げることで質量が生まれるとされる。
一方、衛星の観測などから宇宙は、光を出さず安定した暗黒物質で満ちていると予想されている。
これは新しい映画のあらすじではないよ。ちゃんと読売オンラインに出てたんだから*1。だから1行目の南部博士はガッチャマンの南部博士ではないよ。すごいだろ、もうSFの想像力を現実の方が超えちゃってるよ。
宇宙を満たす謎の暗黒物質
この宇宙は謎の暗黒物質で満たされているんだよ*2。暗黒物質ってなにか知りたいだろ。謎なんだよ。謎だから私は説明できないよ*3。冒頭にカバーを掲げたレンズマンが書かれたのが1937年。その当時は宇宙はエーテルで満たされていると考えられていた。光を伝える媒体が必要だと考えられていたんだね。レンズマンを読むと「ブリタニア号がエーテルの風を受けて進んでいった」とか書いてあったような気がする。ちょっと話が横道にそれるけど、レンズマンに出てくるロケットは「無加速度航法」で宇宙を飛ぶ*4。別の天体に行くには光速に近い速度で飛ばなければならないのだが、一気に光速まで加速したら人間もロケットもつぶれる。かといって、人間に害の無い程度の加速では必要な速度に達する前に人間の寿命が尽きる。そこで加速をしなくても所定の速度を出す航法がレンズマンの無加速度航法だ。まあ、いまならワープ航法だね。
話を戻して暗黒物質だ。なにより学術用語を「ダークマター」のままにしないで「暗黒物質」にしてくれたのがうれしいじゃないか*5。暗黒物質のがいいよ。すごく邪悪で禍々しい感じがする。我々はそんな危険なところで生を長らえているわけだ*6。しかも、宇宙はエーテルで満たされていると考えられてた時代から、そんなものはなくても光や電磁波は伝わる−宇宙は「空(くう)」だという時代を経て、いままた宇宙は何かに満たされているわけだ。
ところで、暗黒物質で満たされているのは宇宙空間だけなのだろうか。それとも、いま我々が生活している地表も暗黒物質で満たされているのだろうか。とすると、我々人間は毎日、謎の暗黒物質を吸い込んでいることになる。としたら禁煙なんかしても無意味じゃないか*7。いや、適量の暗黒物質は逆に身体に良いのか?*8
そんな謎の暗黒物質を吸い込みすぎた華子様、1月5日のきょうも更新なし。やっぱりブログを飽きちゃったの?*9