華子様を隠そう(その3)

私はアイデアが出尽くして煮詰まってしまったときは誰かに相談する。べつに賢い人である必要はない。ふつうは私の部署の若い奴をつかまえて「いまこういう問題で行き詰まっている」と説明するわけだ。もともと私のような奇才が考えあぐねているわけだから、若造ごときにいいアイデアなどあるわけはない。ただ、他人に説明することによって私自身の頭の中で問題点が整理されて自分で答えを見つけられることがある。また、直接は助けにならなくても相手の出したプランが、私が見落としていた選択肢であり、その選択肢をどんどんたぐっていくと答えが見つかることもある。みなさんにもこれはぜひ勧めたい。適当な人がいなければ、飼い犬とか招き猫の置物でもいいと思う。
今回、私の犠牲になったのは同じ部署のO嬢だ。なお、私がセーラームーンヲタであることやブログを書いていることは私の社員生命にかかわるので同じ部署では秘密になっている。だが、マイナーアイドルが大好きであることや彼女たちに会うために名古屋のトークショーや新宿の握手会のイベントに行ったことは同じ部署のメンバーは知っている*1。このマイナーアイドル好きは99%の侮蔑と、1%の尊敬を持って若い連中に迎えられている。後者の1%の尊敬は、5年前から北川景子を知っていた点だ。まもなく安座間美優がブレイクして2%になるだろう。早く5%、いや、小池里奈ちゃんや華子様やあさみんもブレイクして8%になって欲しい。そうすれば、誰にも私をバカとは言わせない*2

  M14「なあ、ちょっといま行き詰まってるんだよ」

  O嬢「なんですか、○○○の件ですか?」

  M14「8月にB級アイドルの握手会に行ったじゃない*3

    (立ち去ろうとするO嬢)

  M14「まあまあ、聞いてよ」

  O嬢「忙しいんですけど」

  M14「前に話したことあるけど、うちの女房って隅から隅まで掃除するから隠し場所がないって言ったじゃん」

  O嬢「はあ...」

  M14「でさ、この前に握手会に行った人のカレンダーを買ったのよ」

  O嬢「はあ?」

  M14「で、隠すところがないんだよ」

  O嬢「隠さないといけない時点でカレンダーの役目が終わってますけど」

  M14「別に暦が知りたくて買った訳じゃないからさ。たまに引っ張り出して眺めるのよ」

  O嬢「大きくて薄い写真集ですね」

  M14「そうそう。どっかいい隠し場所はないかな?」

  O嬢「トランクルームを借りればいいじゃないですか」

  M14「だって、トランクルームと自分の部屋との往復が危険だろ。玄関から部屋までがさ」

  O嬢「ちがいますよ。最近のトランクルームって冷暖房完備って書いてあるじゃないですか」

  M14「おお、広告で見たことあるよ」

  O嬢「椅子を入れといてM14さんがトランクルームの中でカレンダーや写真集を見るんですよ」

  M14「個室ビデオかよ!」

でも君はなんでそういうアイデアが仕事では出てこないんだ。それは私もいっしょか。トランクルームは行きすぎだが、O嬢のおかげで天啓が閃いたよ。自分の部屋にこだわらなければ隠し場所があったじゃないか。それも女房がぜったいに掃除をしない場所。しかも密室。さらにソファーもあって、冷暖房完備で、飲食もできて、BGMも流せる!

  車の中だよ

ありがとう、O嬢。ちなみに彼女のご両親は非常に若いときに結婚して子どもを生んだので、O嬢のお父さんと私は同じ年だそうだ。自分の父親と同じ年の人にアイドルのカレンダーの隠し場所を相談されるO嬢の心境ってどうなんだ?
(つづく)

*1:そっちだけでもうダメでしょ

*2:よりバカだろう

*3:C級と言わないのが私の華子様への忠誠である