実写版放送終了1周年によせて(その3)「続編の謎」

アニメのセーラームーンも1話完結ながら1年間を通じた謎があるわけだ。一言で書くと

     第1期・・・過去になにがあったか(セーラームーン無印)

     第2期・・・未来でなにが起こるのか(セーラームーンR)

第1期は「そもそもセーラー戦士とは何者か」が謎になっている。謎としてこれほど強いテーマはない。セーラー戦士はダークキングダムと戦いながら自分たちのアイデンティティを探すわけだ。毎回完結の妖魔との戦いと、1年を通じて徐々に明かされる古代月の王国の謎の2本立て。しかもルーツにたどり着くまでには、銀水晶とはなにか・どこにあるか、プリンセスとは何者か・どこにいるか、これらを1年間引っ張り、すべての謎が解明されるとそのまま最終決戦になだれ込む。原作とアニメが同時進行だったので、この構成を考えたのが原作者か、東映動画かはわからないが、まことに秀逸であった。
第2期は逆に未来でなにが起こるのか、そして第3期以降も謎が提示されるが、残念ながらこの謎がだんだん弱くなる。やはりセーラー戦士のルーツ探しにかなうものはない。もちろん、ちびうさが好きとかスリーライツ(だったかな)が好きという人は楽しめたのだと思うが、私自身は物語として引きつけられたのは第3期の途中までだった。またセーラーマーズら4人の存在意義が無くなってしまったのも不満だった。
(つづく)