サトウの切り餅の謎を追え!

我が家はおせち料理が嫌いだ。去年までは2日から普通の朝食になってしまったが、今年は3日間も雑煮を食った。といっても、永谷園の松茸のお吸い物に、焼いた餅と小松菜ををぶっこんで食うという超お手軽雑煮だ。こんなものを食わされて育った我が家の子供*1が成人して所帯を持ったら、元旦からトーストと目玉焼きになるであろう。
当然、餅を焼くのに網なんか使わない。トーストを焼くのに使うオーブントースターに「サトウの切り餅つきたてシングルパック」を入れて焼く。困ったことに焼き網の部分に餅がくっつく。で、網に付いたネバネバが冷めて堅くなった後に、網に付いた餅をそぎ落とすのが正月のジョブになっている。ところがである。今年のサトウの切り餅は網に付かないのだ。熱するとプウっと膨れるのは例年どうり。餅だからね。で、プスっと穴が開くと元の形にきれいに戻る。表面のサラサラ感は残っているのだ。さらに熱し続けて膨らむとさすがに元には戻らず塑性変形を起こす。*2その膨れた部分が横に倒れて網に触れる。これはさすがに網にくっついただろうと取り出すと、なんと網にくっつかないのだ。表面のサラサラ感を失ってない。結局、正月3日間で30個の餅を焼いたが、網にくっついたのは「0」。オーではない。ゼロである。
どうしたんだ、今年のサトウの切り餅は。サトウ食品工業はついにオーブントースターの網につかない餅を開発したのか。もしや「形状記憶餅−世界80ヶ国で特許出願中」とか「いつまでもサラサラ。キューティクルを痛めない」とかパッケージに書いてあるかも知れない。だが「つきたてシングルパック」としか書いてないぞ。なんという奥ゆかしさ。成熟産業、いや衰退産業と言ってもいい餅業界でも日々研究開発とイノベーションが行なわれているのだ。これは励ましの手紙を書かなければならない。もしかするとお礼に餅1年分とか送ってくるかもしれないぞ。それは困る。我が家は正月しか餅を食わないのだ。すると1パックが1年分か。安い1年分だ。さっそくサトウ食品工業のHPを探してお問い合わせ窓口にメールをしよう。ついでに自分のブログにサトウの切り餅を書いたことを教えてあげよう。アドレスもつけるか。いや、それはまずい。なにしろ1ヶ月に渡ってセーラームーンの話を書いているからな。
と、メールを出したのが先週の土曜日。いまだに何の返事もないのでサトウの切り餅は元々オーブントースターの網にくっつかないのかもしれない。そもそも去年はどこの餅を食ったのだ。そんなこと覚えているはずがないのである。

*1:そう、私は子持ちなのである。しかも、4月から高校生だ。子供が受験勉強をしている隣の部屋で私はセーラームーンの評論を執筆している

*2:塑性変形...そう、私は工学部出身なのだ。ちなみに塑性変形とは元に戻らない変形。元に戻るのが弾性変形だ