沢井美優「テレビでフランス語」

フランス語劇もついに大団円。浜辺を歩くスタンとジャンヌ。ああ、やっぱり

  愛を語るのはフランス語だよ

たとえ愛を語るのが異様に太い眉毛のスタンとプチ肥満のジャンヌでもそれっぽく見える*1。きょうの発音はこれね。

  Qu'est-ce que tu me proposes? (何を提案してくれるの?→なんなの?)

最後の単語は英語と一緒だね。で、これの発音が「プロポーズ」ではないと来る。そこでマダム北村の登場だ。これの最初の[pr]ね。

  両唇を閉じて息を軽く破裂させて出す[p]と、あごの奥をこすって出す[r]の連続です

解説を読むと難しそうだが、マダムと沢井美優が発音してるのを聞くとそうでもない。[r]をほとんど発音しないのがコツだね。ムッシュ佐藤が出てきて大切なセンテンス。

  Si on dinait au restaurant? (レストランで夕食を食べようか?)

おお、これは大切な表現だ。おねだりのしかたを覚えればコミュニケーションの8割は成立したも同然*2。ただね、

  Si+半過去

なんだよ、半過去って。

  美優「それでは『美術館に行きませんか?』という表現ならどうなりますか?」

  佐藤「そう来ると思って用意しておきました」

  (ムッシュ佐藤が「美術館に行かない? Si on allait au musee?」と書かれたパネルを出す)

すごいぞムッシュ佐藤。沢井美優がなんて聞いてくるかを予知してパネルを作ってきたのか。それも「〜へ行きませんか?」の場所としては日常的に頻度が極めて低い美術館を当てるとは!*3で、このallaitはallerの半過去だって。もうどうでもいいよ。ぜんぶの動詞に半過去があるんだろ。こんな言語を覚えるなんてぜったいに無理だよ。こうしてみると日本語って文字の種類が多いことを除けば、けっこうシンプルな言語なんじゃないかな。日本語が話せるジェシーより、フランス語が話せるセニョールさんのが人として偉いと*4
それにしてもジェシーはちっちゃいなあ。二人が並ぶと沢井美優の鼻より下だから150cmくらいではないだろうか。最後のヴァンソンとジェシーと寸劇は日本行きのチケットが当たったのでコスプレの衣装を持ってアニメフェスティバルに行くとかなんとか。あの衣装がセーラームーンだったら神だったんだが。

  きょうのフランス語

  発音難度・・・★★★

  文法難度・・・★★★

  コスプレ・・・★☆☆

  ふともも・・・★☆☆

  むなもと・・・★☆☆

  コント・・・・★☆☆

きょうは★が多いなあ。
(おまけ)
中学校や高校で習う日本語の文法って意味あんのか?というより根本的にまちがっていると思うのだが。あれって英語の文法に日本語を当てはめているだけのような気がする。別に日本人は日本語の文法を習う年令では日本語が不自由なく話せているので、いまさら文法なんかいらない。だが、外国人が日本語を習得する近道としては文法は必要だ。そう考えたときに日本語の文法って正しく研究されているのだろうか。たとえば欧米の言語だと「S+V+O」があるでしょ。でも日本語は述語がすべてなんだよね。

  だめ

  追ってはだめ

  タキシード仮面を追ってはだめ

  あなた(セーラームーン)はタキシード仮面を追ってはだめ

この4つの文はどれも成立する正しい日本語。「あなたは」、「タキシード仮面を」、「追っては」は文の構成要素というより「だめ」を修飾というか説明しているだけだ。どこまで説明するかはTPOによる。下に行くほど正しい文というわけではなく、目の前にセーラームーンとタキシード仮面しかいないのにセーラーVが4番目を叫んだらむしろ正しくない日本語でしょ。つまり「だめ」だけの文を、主語や目的語が省略されていると見るか、これだけで成立していると見るかの見解の違いだと思うのだよね。私はだんぜん後者だと思う。英語やフランス語の主語や目的語にあたる語はあるにはあるのだが、それらは日本語的には等価であって単に述語の修飾語だと思うのだよ。英語やフランス語は主語が決まらないと動詞が決まらないので主語は大切だ。だが、日本語の動詞は主語と関係ないので*5、英語やフランス語のような役割を担った主語は最初から存在しないと思う。「主語」なんて言い出した時点で日本語の本質からずれているというのが私の持論だ。半年間、フランス語のさわりを勉強してますますそう思った*6

*1:あのな

*2:そうでもないだろ

*3:なわけないだろ

*4:日本語とフランス語の両方が話せる点では同じだと思うぞ

*5:尊敬語や謙譲語は主語に影響を受けるがそれは別の次元の議論だと思う

*6:だったらどうだと