「あのセーラームーンのうさぎちゃんは今二十歳。ひとつ上の夢に向かって跳ね始めました」一つ上の夢とは、そうカンヌさ
沢井美優「凱旋門への道」
海外のニュースを見ていたらこんなのがあった*1。
日本マンガの一大市場フランスで、第9回ジャパンエキスポ開幕
日本のマンガ、アニメ、テレビゲーム、ファッション、ポップカルチャーなどを紹介する
ジャパンエキスポ(Japan Expo)が3日、パリ(Paris)で開幕した。
今やフランスの子どもの2人に1人は日本のマンガを少なくとも1つは読んだことがあるといわれ、
すべての年代が日本のテレビアニメを見て育っている。
同国は日本国外では第2位のマンガ市場であり、そのほかの日本文化に対する関心も高まっている。
こうしてみるとフランス進出を狙っている沢井美優の国際感覚と先見性は並みではない*2。あの実写版がフランスの青少年またはおじさんにウケるかは疑問だが、少なくともセーラームーンを演じたことがあるという芸歴は、日本から一歩外に出たらセカチューの主演女優以上の威力があるのではないだろうか。長澤○さみvs沢井美優の女優対決、日本国内ではダルビ○シュ対グランドボーイくらいの勝負になってしまうが、フランスに行けば互角かそれ以上の戦いができるかもしれない。根本的に沢井美優が長澤○さみに劣る点は胸くらいなのだ*3。
世界第2位がフランスなら1位はやはり北米か。だが、こんな記事を見つけた*4。2006年ではあるが
ヨーロッパの日本マンガ市場は、フランスとドイツの両方で206億円から236億円になる。
これは、2005年に初めて200億円を超えたとされる米国のマンガ市場と同じかそれを超える規模になる。
イタリアやスペイン、北欧などの市場も加えると日本マンガの国外最大の市場は北米ではなく、西ヨーロッパである。
ヨーロッパは一つ一つの国が小さい。ドイツが8千万人、フランスが6千万人だから両国を合わせて1億4千万人。その日本マンガ市場が人口3億人弱の米国と同じというのだから、フランス・ドイツの一人あたりの日本マンガ消費量は米国の倍だと言える。この事実はもっと国内で認識されて良いはずだ。以前も書いたかもしれないが、米国ではテレビで放送される子ども向きのアニメは教育上の配慮がかなりされていて、アニメ・セーラームーンでうさぎちゃんが「あ〜あ、学校行きたくないなあ」というセリフがカットされたと聞いたことがある。もう一つ、やたら広くて車文化の米国では、子どもは本を買うには親といっしょに家から遙かに離れたショッピングセンターに行く。当然、買い物に対して親の検閲を受けるわけだ。その点、日本の子どもはお小遣いさえもらってしまえば近所の本屋に行って、パンチラだろうがレオチラだろうが買い放題。もちろんマイナス面はあるだろうが、大衆文化とはそういうバックボーンが必要なのではないだろうか。一人の宮崎駿を創出するには数万のクソマンガやエロマンガが市場の肥やしとして必要なのだ。
さて、ついでなのでドイツのマンガ事情も見てみよう。資料はここ*5。なんかJETROのレポートはマンガ・アニメ関係がやたらとあるぞ。ドイツの日本マンガ市場のレポートだが、随所にドイツとフランスの対比があって面白い。フランスの書店環境から見たマンガ事情は日本と似ているようだ。中高生の諸君、日本のマンガ・アニメの普及度はその国の本屋のあり方と無関係ではなさそうだぞ。夏休みの自由研究のテーマにしてくれたまえ。私への礼はいらん。長いレポートなのでいくつかポイントを抜き出すと
・フランスでの日本マンガの売れ筋は日本でのヒット作品が中心
・ドイツでは日本のヒット商品との関連性が薄い
・フランスは少年マンガが中心で「親も安心」なものが中心*6
・ドイツの売れ筋の中心は「少女マンガが強い」「エロスの要素が入ったものが強い」
ドイツで少女マンガの人気が高い傾向は
セーラームーンからマンガ市場がブレイクしていったことがあるが
「かわいい」、「きれいな」絵柄のものが特に人気が高い
沢井美優よ、フランスを制覇した後はドイツだ。いや、ドイツが先か。まずは国内かのいつもの堂々巡り
*1:http://www.afpbb.com/article/entertainment/entertainment-others/2413726/3100464
*2:フランス語講座のアシスタントをしているだけでフランス進出に具体性はない
*3:そこまで言うか
*4:http://animeanime.jp/goods/archives/2006/08/jetro.html
*5:http://www.jetro.go.jp/biz/world/europe/reports/05001277
*6:あらら、いきなり私の仮説が崩れたよ