性別ではなくて資格

須崎選手は残念だった。考え方によっては、この人も阿部妹もこれが彼女たちが持っている「スター性」ではないか。主人公はいちど挫折しないと、いちど敵に負けないと、その先の物語が綴れないのだよ。このオリンピックで選手村の環境の悪さやズルーレットとともに話題になっているやつ。

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2人は、2023年の世界選手権で、男性のような骨格や筋肉を作り上げる際に重要な役割をする男性ホルモンのテストステロン値が高いとして失格。
しかし、IOC国際オリンピック委員会)はパリオリンピックへの出場を認めました。その理由について、IOCのバッハ会長は3日の会見で、「女性であることに疑いの余地はない。女性として生まれ育ち、競技し、パスポートを持っている人が、なぜ女性とみなされないのか」と話しました。
一方、IBA国際ボクシング協会)は日本時間5日、「パスポートに何が書かれているかは問題ではない。最も懸念しているのは、彼女たちのホルモンのバランスが他の選手よりも明らかに有利なことだ」と声明を発表しました。

これはトランスジェンダー案件ではないのだよね。外見上は完全に女性。戸籍も性自認も女性。男性と恋愛・結婚して出産することもできる。だが男性特有の染色体を持っている。これは目に見えることではないのでボクシングの一流選手にさえならなければ本人もまわりも気がつかずに一生を終えたはず。IOCはそこを気にして出場を認めた。対してIBAは「彼女たちのホルモンのバランスが他の選手よりも明らかに有利」と反対の立場。ほかの競技と違って、「他の選手より有利」は「他の選手の危険」を意味する。性別の問題って以前にこんな記事を書いたが

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もっと本人たちが納得できるようにするにはどうしたら良いのだろう。現在の競技の区分はこうなっているでしょ。

   

詭弁と言えば詭弁かもしれないが、こうなんだよな。

   

ある条件を満たす人だけが参加できる競技がある。それは競技によって異なっていて

・戸籍が女性であること
性自認が女性であること
・テストステロン値が基準値以下であること

重要なのは性別による区別ではなく、あくまでも参加資格の有無なんだよね。この結果、適合しなかったひとは青のグループで競技をすれば良い。将来、何かの競技で女性なのだがあえて青のグループに挑戦し、何のただし書きもない真のチャンピオンを目指す人が現れるかもしてない。この考え方ってトイレや更衣室でも同じなんだよね。赤の部屋への入室条件があって「あなたを女性と認めてないわけではないんです。チンチンがあるから入室できないんです」と。