真冬のビデオまつり「ある用務員」「マイ・ブロークン・マリコ」

娘はやっと熱が下がった。前回、平熱になったのは薬の効き目だったみたい。ビデオがたまりまくっている。

   

OTHELLO(オセロ)
【1,000円】リングの鈴木光司原作の30分を10回のドラマ。主演は元AKBの生駒里奈。この人はおバカキャラだったように思うが綺麗になったね。話すときにもっと口を横に広げる練習をした方が良いかもしれない。すごく昭和感が漂うドラマ、そう昔の大映テレビのノリ。そういうのが好きな人にはいいかもしれない。それほど怖くないし。

ある用務員
【1,700円】「ベイビーわるきゅーれ」の監督の前作。この監督の作品をひととおり見ているが初期のはただ殺し合うだけ。本作でなんとか作品としてまとまりが出てきて次作のベイビーでやっと映画賞の対象になるくらいの完成度になった。主人公はやくざの組長に育てられたヒットマン。ふだんは高校の用務員として働き、そこに通う組長の娘を秘かに守っている。組長が殺され(殺したのは主人公)、財産が入っている金庫の番号を知っている娘を誘拐するために8組の殺し屋が高校に乗り込む...8組の中に女子高生の殺し屋コンビがいて、これが次作の原型になっている。本作では主人公に殺されちゃうけどね。娘はもっと可愛い子はいなかったのか。

マイ・ブロークン・マリコ
【1,700円】公開が9月末、わずか3か月で会員無料のプライムビデオって。主演・永野芽郁、あと奈緒窪田正孝が出るのに驚くほど公開劇場が少なかったんだよね。YouTubeにアップされている海外で作られた「今年公開の映画」を見ると最後にわざわざ「on theater」って出てくるくらい配信のみの作品が多くなった。公開館が少ないならとっとと配信をするのは良いことだと思う。小さいころから父親に虐待されていた親友のマリコが自殺。なぜ自分に言ってくれなかったという虚無感と怒りで主人公はマリコに家に乗り込み骨壺を強奪。彼女が行きたいと言っていた海岸に巻くことにする...これだけなら30分で終わってしまいそうだが、いろいろな出来事があり主人公の再生につながる。タナダユキという女性の監督らしいが、カット割が丁寧で、緩急の付け方というか時間の流れ方が心地よい。主演の永野芽郁はこの役に合っているかというとNo。ただ、彼女自身がそのギャップをわかっているなら今後に大輪の花を咲かせるための挑戦作になるだろう。

LAMB/ラム
【1,500円】主演はセブン・シスターズの人。牧場で羊を飼って暮らす夫婦。ある日、「羊でないもの」が生まれる。それを我が子として育てるが...まずは羊、犬、猫に演技賞をあげたい。犬と猫はともかく、羊を台本のとおりに動かすのって難しいだろう。夫婦となにかで幸せに暮らしましたとさ、とは絶対にならない予感をずっと感じさせる映像や音楽は見事。でもラスト20分まで何も起こらなくて、この映画ってどうやって終わるの?と思い始めたとき突然に出てきた。亀梨が主演の「事故物件」では最後に黄金仮面みたいのが出てきてどっちらけだったが、この映画の場合は「お、おう。これがいるならそれもいるか」と納得できた。

灼熱の魂 (字幕版)

灼熱の魂 (字幕版)

  • ルブナ・アザバル
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灼熱の魂
【1,500円】「意外な結末の映画」で必ず出てくる作品。姉と弟に告げられた、死んだ母親の遺言が「おまえたちの父と兄を探してこの遺書を渡すように」。父は死んだと聞かされていたし、自分たちに兄がいるとは聞いてない。姉は母の故郷である中東の国(たぶんレバノン)へ行き、母の足跡を訪ねる旅をする。そこで知ったのはイスラム教徒とキリスト教徒の内戦、それに翻弄された母の歴史だった...十分に面白い映画なので意外な結末のことをすっかり忘れていた。母は病死しているし、姉弟が誘拐されるような話でもないしと思ったら、そう来たか! ヒントは横溝正史

心霊写真 (字幕版)

心霊写真 (字幕版)

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心霊写真
【1,500円】タイで爆発的にヒットしてハリウッドでリメイクされたホラー映画。たぶん日本ではもう作れないくらいのベタなホラー映画。幽霊の正体は中盤でわかるのだが、彼女になにがあって呪うのかがミステリー要素になっている。その謎を最後まで引っ張り、全体としてよくできている。ヒロインがすごく可愛い。

   
この人は女優をやりながら政治学の博士号を取ったらしい。日本以外のアジア圏の女優ってけっこう高学歴なんだよね。劇中に出てくる心霊写真は公募で集めたものだそうだ。

エスケープ・ルーム2:決勝戦
【1,200円】2作目は日本での劇場公開はなかったみたい。前作で生き残った2人が主催者を探し出して告発しようとするが捕らえられ強制的にゲームに参加させられる。ほかのメンバーも全員が生き残りで、いわばこれは決勝戦。一人一人の過去が語られることもなく、どんどんゲームが進む。前作より舞台装置が大がかりでゲームがダイナミック。その分、嘘くさい。

ブラック・クリスマス (吹替版)

ブラック・クリスマス (吹替版)

  • イモージェン・プーツ
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ブラック・クリスマス
【1,200円】クリスマスパーティーの夜に連続殺人鬼が現われて一人一人殺される、このパターンの映画を何本みたことか。ただ本作はすごく異色。サブタイトルを付けるなら「ミソジニーホラー」。物語の核心に触れてしまうので多くは語れないが、日本よりはるかに多くの女性が企業や政府の要職についていて、女性議員の数も日本より多いのに、こういう思想があるんだ。それを映画化して公開しちゃうんだ。

モスル ~あるSWAT部隊の戦い~
【1.500円】ISISとの戦闘が続くイラク。題2の都市であるモスルで、軍とは別に活動している10名の部隊がいる。彼らに助けられた縁で入隊した若い警察官の目を通して描かれる部隊の活躍。本拠地に迫っていくが、仲間は一人また一人と倒れていく。そもそもこの部隊の目的は何なのか...一見、低予算っぽい映画だが人間の視線と同じ位置で撮影された映像が迫力満点。製作は「アベンジャーズ エンドゲーム」の人らしい。

DUNE/デューン 砂の惑星
【1,500円】前作とは砂以外はまったく別物。映像はたしかにすごい。広大な砂漠、建造物も乗り物もいままで見たことがない造形美。主役の人も役のイメージにぴったり。とにかく壮大、荘厳。それでも1,500円にしたのが...2時間半の映画だがまだ序章。このペースだと何作まで続くのだ? あと、ヒロインはスパーダーマンの3代目MJの人。ここは白人のがいいと思うが、いまのハリウッドにそれを望んでもしかたない。

ワイルドリング 変身する少女
【1,200円】タイトルとポスターでどういう映画かわかると思う。そう、そういう映画だ。主演は「マイ・プレシャス・リスト」の人。これはミスキャスト。この人はもっとコミカルな役が似合うと思う。あと、過不足なく詰め込まれたストーリーのまとまりは悪くないのだが、怖がればいいのか、主人公に同情すればいいのか、応援すればいいのか、どこにも絞り切れてないのが残念。