冬のビデオまつり「サンタ・ボックス」「トウキョウソナタ」

なんだよ、このマンガみたいな展開。2本のゴールもアニメみたいだった。喜びを爆発させるサポーターがニュースで流れていたが、現地はいい。でも日本は朝の5時だよね。

ミッション:60ミニッツ
【1,500円】闇のテレビ番組。本人の知らないところで選ばれた家が武装集団に急襲される。もし60分後も生き残っていたら賞金100万ドル。主人公はたまたま従軍経験があったのと、ここはアメリカなので家に武器があるが圧倒的な不利。主人公にあるのは自分の家という地の利だけ...銃で敵を倒して機関銃を奪い善戦したのに、追加の部隊が投入されるという狡さ。物語の深みはまったくないがとりあえず面白い。

サンタ・ボックス
【1,700円】主人公の少女はクリスマスが大嫌い。過去のクリスマスの日に父親を亡くし、大好きな祖父を亡くし、事故で車を失い、火事で家を失った。引っ越し先の町で、玄関にサンタボックスと書かれた箱が置いてある。欲しい物を書いて玄関に出しておくようにと。少女は母親が仕事で使うようにパソコンをお願いするとパソコンが届く。またサンタボックスが置いてあり「今度は自分のための物を書くように」と。だが少女は家が貧しくていつも同じ服を着ている同級生のために500ドルをお願いする。またサンタボックスが置いてあり「君には負けた。もう好きなようにしなさい」と札束が入っていた...この映画は小中学生の映画教室で見せたいハートウォーミングストーリー。知らない誰かからプレゼントをもらうとその品物が手に入ったことより、自分を気にかけてくれている人がどこかにいる、その人は自分が欲しいものを知っている、その事実が品物以上に希望を与えてくれるわけだ。みなさんも会社で好きな人がいたら引き出しに1万円札を入れておこう。気持ち悪いと問題になるはずだ。

イン・アンド・アウト(字幕版)

イン・アンド・アウト(字幕版)

  • コスタス・マンディロア
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イン・アンド・アウト
【1,200円】「イン&アウト」とは別物のB級ホラー映画。パッケージでネタバレはやめろ! ギャングのボスの娘を誘拐し親から身代金を取ろうと屋敷に忍び込む主人公たち。だが娘を捕まえるとすべての扉に鍵がかかり窓にシャッターが降りる。娘が言うには朝の7時まで開けることはできないと。出口がないか屋敷の中を調べると、冷凍庫の中に大量の手足、別の部屋には28人の幼児。ここはいったい何なのか?...その何なのかをもっと後ろまで引っ張れたらもっと面白かったかな。あとそれがわかった終盤で、朝になって窓が開けば逃げるチャンスがあったのに諦めちゃうのは伝説を知らなかったのか。

レフト ー恐怖物件ー
【1,500円】ブラムハウスの作品なのに、公開時期がコロナと重なり米国でも日本でも劇場公開はされなかったそう。2週間の休暇を田舎で過ごすことにした親子3人。だがこの大邸宅は曰く付きの物件だった...幽霊がはっきりとは出てこないのに後半がずっと怖い演出はさすが。夫婦の疑心暗鬼、夫の過去、何かを知っている町の人、終盤の仕掛け、それぞれの要素は良いのだが、この邸宅はそもそも何なのだという一本筋の通ったストーリーが無いのでいまいち心に残らない。

ザ・ボディーガード パーフェクト・エージェント
【1,000円】ロシア製のアクション映画。女性のボディーガードが孤軍奮闘する映画はほかにもあったが、これはすごく薄味。命を狙われているラップスターを警護する主人公。だが彼女の親友の少女は、このラップスターの大ファンだったがある出来事で命を落としている...事件の謎解き、アクション、どちらも中途半端。また後半に主人公とラップスターが恋愛感情を持つのもイマイチ。ただ、私はラップをバカにしていたがこの映画を見て意外に良いものだと思ったのが収穫。

トウキョウソナタ
【1,900円】黒沢清監督の2008年の映画。リストラされたがそれを家族に言えず、あくまでも家長の権威を守ろうとする父親が香川照之。家族を大切に思う気持ちが誰にも伝わらない気の毒な母親が小泉今日子。米軍に入隊する長男がこのとき20才の不動さん。近所のピアノの先生(井川遥)に一目惚れして入会する次男が小学生の井之脇海、すごく可愛い。いまこの記事を書くためにWikiを見たら土屋太鳳がどこかに出ていたんだ。探したらここか。

   

職探し仲間に誘われて彼の家に行くシーン。そこの娘が太鳳ちゃん。セリフは2個。この映画はよくできているなあ。表面は繕っているのに裏側がどんどん崩れていく家族の表現が見事。クライマックスは3人(長男は米国)がそれぞれ事件に巻き込まれ(原因は自分)別々の一夜を過ごす。さらにラストシーンはそれか、だから一度も見せなかったのか。うまいなあ。光と闇を多様する映像といい、黒沢清監督の本領発揮の逸品。