考える方向性が逆のように思う

こんな記事があった。

wedge.ismedia.jp

この記事のもとになっているのがこの本だそうだ。

記事の方から引用すると

本書によると、Netflixなど定額制動画配信サービスの普及で作品数が圧倒的に増えたこと。TV番組のテロップ過多に慣らされ、説明のないシーンを不親切に感じる人が多くなったことなどが、外部要因とされていますね。内部要因は、仲間とのSNSの話題として映像作品情報が必要だったり、誤った解釈などで失敗したりすることを避けたい。また、本来ストレス解消のためなので不快な場面も避けたい。結局、快適主義が観る側にある。すると、一言で言えば、映像作品の多さをコスパよく乗り切って快適になるため、倍速視聴や10秒飛ばしを行う

以前にネタバレサイトについて書いた記事と重複するが、これって定額制を見るときだけの所作ではないのか? 自分でDVDやBlu-rayを買ったり、同じ配信サービスでも1本いくらのPPVを見るときも倍速で見るのか? もしかするとこの本ではそこも調査してあって、実際に4,5千円で買ったものを倍速で見る人がいるのかもしれない。だがそこは私の想像の及ばない範囲なので、ここでは定額制だけの意見を書く。上にあげた記事、あるいは書籍が対象にしている「映画を早送りで見る人たち」は、その映画が定額制の中に入っていなかったら見ない人たちなのではないだろうか。もしすべての作品を早送りで見る人だったら、その人は映画館に行ったり、DVDを買うことがない人。映画産業の外にいる人なんだと思う。その人たちの中から「たまにはじっくり見てみよう」とか「映画館に行ってみよう」と思う人が出れば早送りの視聴も悪いことではない。この手の論調の前提になっているのが「映画という素晴らしいものを早送りで見るなんて信じられない、けしからん」のように思えるのだが、そこまでの作品が数少ないのは私のブログ「ビデオまつり」で1,900円が付いている数で見ればわかるでしょう。