真夏のビデオまつり「三尺魂」「キングスマン:ファースト・エージェント」

暑い、暑すぎる。U-NEXTでは無料の作品を中心に。

ハロウィン・レポート(字幕版)

ハロウィン・レポート(字幕版)

  • ブランディ・シェイファー
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ハロウィン・レポート
【0円】アメリカではハロウィンに合わせて全国で数千のお化け屋敷ができるそうだ。もっとも怖いお化け屋敷を探して旅を続ける4人組。その映像が1時間続く。「青い骸骨」と呼ばれるお化け屋敷の噂をたどってついに見つけ出す...お勧めはしないのでネタをバラしちゃうけど、もっとも怖いお化け屋敷、それは自分が殺されるお化け屋敷。そりゃそうだけど、それってお化け屋敷じゃないでしょ。頂上でレールから外れるジェットコースターと同じでさ。

モンスター・プロジェクト
【100円】Amazonにはない作品。怪奇動画をネットで配信しているグループ。もっとすごい番組を作りたいと、モンスターを募集する。すると自分が吸血鬼、狼男、悪魔に憑依されている、という3人が集まる。もともとは自称モンスターの変な人たちのインタビュー映像を撮影するはずだったが、全員が本物だった...設定が馬鹿馬鹿しいし、映像表現が過去の有名作品からつまんでいるし。

走れ、絶望に追いつかれない速さで
【500円】中川龍太郎監督のメジャーデビュー作ではないだろうか。私はね、このテイストが嫌いなんだよ。こういう主人公を見るとイライラする。何も言わない、言う必要を感じない、という孤高の人ならそれはそれでいい。だが、俺は何も言わないが、俺の気持ちは察してよ、あなたにはそうする義務があるよって人。人と関わるならちゃんと話せ。

三尺魂

三尺魂

  • 村上穂乃佳
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三尺魂
【1,900円】これは掘り出し物。主役の津田寛治しか知らない。本編は小さな小屋の中で行なわれる4人の会話劇だが、みんな上手。ネットを通じで集まった集団自殺のメンバー。発起人は花火職人で、破滅の原因となった三尺玉を爆発させて死ぬ予定だ。3人が集まったところで、あと一人が来ればいよいよだと思ったら4人目が女子高生。3人はちょっと待て、死ぬのはまだ早いだろうと止めにかかる。「なぜですか、私が子どもだからですか、バカにしないでください」とスイッチを押してしまう。4人とも焼死したはずが、主人公が小屋に来たところに時間が戻る。1回目の記憶は保ったまま。2人目、3人目が集まり、女子高生が来たところで同じことの繰り返し。今度は2人目の研修医が記憶を保っている。なんとか女子高生を止めようとするが失敗してつぎは3人目も記憶を保っている。どうも女子高生を思いとどまらせない限り時間が繰り返すようだ...女子高生を説得するためにそれぞれが自殺を思い立った理由を話す。ちょっと待てよ、もう一度がんばってみようよ、それはそのまま自分に跳ね返る。この会話劇と、三尺玉というエキセントリックな仕掛け、そしてしゃれたエピローグの佳作。

ホラーマニアVS5人のシリアルキラー
【1,500円】以下の3本はAmazonの100円セール。ホラー雑誌の編集をやっている主人公がバーで泥酔して物置で寝てしまう。その店は深夜からある団体の会合に貸し切り、その団体とは5人のシリアルキラー。欠席の6人目とまちがえられ中に入ってしまうがバレてしまった。絶体絶命のピンチだが、5人の中のひとりはシリアルキラーの撲滅の使命を持った工作員。かくして二人で4人の殺人鬼と戦うことになる...主人公がとにかくウザい。こいつ、さっさと殺されてくれと思ってしまう。まずい、主人公に感情移入ができないと物語が面白くない。でも安心。工作員は誰でも応援できるようなキャラになっている。

キングスマン:ファースト・エージェント
【1,900円】キングスマン創立者である、一人の英国貴族の物語。なぜこの人がラスプーチンやそれを影であやつる強敵相手に立ち回れるかというと、執事とメイドが戦力・知力とも有能すぎる。さらに執事とメイドのネットワークがあり、他国の大統領や国王の秘密の会話もぜんぶメイドが盗み聞きして情報が入ってくる。主人公がキングスマンを創立したのはエピローグなので、本編ではキングスマンのトレードマークであるいろいろな小道具やメカは出てこない。だがハイテク機器がない戦いがすごく面白い。

アンダー・ザ・シルバーレイク
【1,500円】主人公はアメージング・スパーダーマンの人。だがこちらは失業中で職探しもしてなくて家賃を滞納しているクズ。同じアパートの女性と知り合いになるが、翌日に彼女は姿を消し、部屋はもぬけの殻。彼女の手がかりを探す主人公の前に現われる謎の人物、事件、殺人、怪しい符号。この街(LAのシルバーレイク)ではなにかの陰謀が進行しているのかもしれない...面白いかと聞かれたらそこそこ面白い。だがこれはミステリー映画ではない。あくまでミステリー風味の冒険物。なぜなら、いろいろな謎が謎のまま終わってしまうからだ。その点ではストレスがたまる映画。