そろそろ春のビデオまつり「ジャッキー・ブラウン」「Mr.ノーバディ」

今回も異色作を5本。

【1,900円】 タランティーノ監督のクライムサスペンス。武器商人の現金の運び屋をやっているCAが主人公。その武器商人を逮捕したいFBIの罠にかかり逮捕される。解放する条件として武器商人の逮捕に協力させられる。FBIの計画を遂行するふりをしながらFBIと武器商人の両方を騙そうとする主人公だが...騙されたふりをしているのか、本当に騙されているのか、最後までわからないのがミソ。最後にどんでん返しがあるのかと思ったら無かった。

【1,200円】 ゴジラ映画でなにがいちばん面白かったかというスレッドがあり、この作品の名前が上がっていたので見てみた。平成元年の作品で、1984年公開の「ゴジラ」の続編、監督は大森一樹。うん、たしかによくできている。ヒロインは田中好子。作戦本部のディスプレイでゴジラの進路を示すCGがワイヤーフレームなのが時代。

【1,000円】 映画館で見たんだけど、会員無料になったので後半だけ見てみた。映画はあまりの盛り上がらなさでがっかりしたのだが、それをわかった上で見てみるとそれなりに良かった。音波には振幅と周波数があるでしょ。映画も「振幅-盛り上がり度合い」と「周波数-イベントが起こる間隔」があると思うんだ。それが期待と違うとがっかりするのだが、その期待は自分が勝手にしたものだからね。

【1,500円】 いまから40年近く前の映画で主演は007のピアース・ブロスナン、監督はダイ・ハードの監督のデビュー作らしい。瀕死の重傷で担ぎ込まれた文化人類学者の最後を看取った医師。なぜか学者の最期の数日間の記憶が医師に転移される。医師は学者の記憶を追体験することになり現実と悪夢の境が曖昧になっていく...タイトルの「ノーマッズ」はアカデミー賞を獲った「ノマドランド」のノマド。放浪民だね。わかったようなわからないようなラストがちょっとストレス。

【1,900円】 期待どおりの傑作。映画への造詣が深いライムスターの宇多丸さんが作った言葉で「ターミネーター」じゃなくて「ナーメテーター」。悪い奴が主人公のことを普通の人*1かとナメてちょっかいを出したら、とんでもなく強い人で悪の組織が壊滅に追い込まれる話。最近の作品では「イコライザー(ホームセンターの店員)」、「ドント・ブリーズ(盲目の老人)」、「96時間(警備員)」、「ザ・コンサルタント(会計士)」など。古典では座頭市ランボーの一作目もこのカテゴリーに入る。「ジョン・ウィック」も引退した殺し屋とはわかっていたが敵はナーメテーターよね。これって島耕作と並んで男のロマンだと思う*2。ただこのカテゴリの弱点は主人公の正体がわかってしまうと続編が作りにくいか、作っても面白さが半減することだよね。

*1:タイトルの「ノーバディ=何者でもない」はここから来ている

*2:島耕作は出世することではなく、女性とつぎつぎに関係が持てて、しかもトラブルにならない点で