冬のビデオまつり「エクスクロス 魔境伝説」「きみにしか聞こえない」

つい最近まで存在さえ知らなかった映画を3本。

【1,200円】 2007年の映画。主演が松下奈緒、共演が鈴木亜美中川翔子。この共演者だけでB級感が極まっているが、なんでここに松下奈緒? 「ゲゲゲの女房」の3年前だから、この時点の松下奈緒はまだこのクラスタだったのかもしれない。鈴木亜美はおそらく開始10分くらいで殺されるのかと思ったらほぼ主役のアクション担当だったよ。逆にこの時点の鈴木亜美はそういうクラスタだったのかもしれない。そう考えると中川翔子のしぶとさよ。ここまでを書きたいだけのためにまったく期待しないで見たが意外と面白かった。悪役の小沢真珠のぶっ飛んだ演技がすごいぞ。エロ担当が欲しかった。

【1,700円】 主演は声を聞くまで誰だかわからなかった成海璃子。共演は小出恵介片瀬那奈となかなか香ばしい人たち。このとき15才の成海璃子が恐ろしく綺麗。ガチの日本的な美人だわあ。人と話すのが苦手で学校では全員からハブられている主人公。話す相手がいないので携帯電話も持ってない。ある日、公園でおもちゃの携帯電話を拾うと、そこに電話がかかってくる。相手は孤独な青年の小出恵介。顔も知らない相手との交流が始まる...かなりありがちなストーリーなんだ。なぜか生じている二人の間の1時間の時間差、彼が聴覚障害者であること(心の声で通話をしている)、もうひとり電話が通じる片瀬那奈、この設定が最後に生きてくるのも予想ができてしまう。幸福も不幸も予想どおりなんだが、それでも成海璃子小出恵介の演技と脚本と演出の丁寧な作りでこの作品を佳作に仕上げている。こういう映画って、どんなに良作でも単独ではなかなか客を呼べないよね。昔、「ゴジラキングコング」と「エレキの若大将」が同時上映だったみたいに、アニメや特撮と同時上映の映画があってもいいんじゃないのか?

テリファイド(吹替版)

テリファイド(吹替版)

  • マキシ・ギオーネ
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【800円】 アルゼンチン製のホラー映画。ある町で死者が墓から出てきたり(ボーとしているだけで人は襲わない)、下水管から声が聞こえたり、怪奇現象が頻発する。ついに死者が出て警察が乗り出す。助けを借りたのが超常現象を研究している3人の学者...お勧めはできない映画なので、この先の感想はネタバレになる。あのギレルモ・デル・トロ監督でハリウッドリメイクが決まっているそうなので興味がある人はそちらを見れば良いと思う。ではここからネタバレ。怪奇現象に対して学者が科学的なアプローチをする話は大好物。で、いいところまで行くのだが最後は因果というか霊的なアプローチで解決する映画が多いのだが、この映画は画期的だ。3人の学者がそれぞれに「わかった!」とか「見つけた!」と言うのだが、それがなにかは明らかにされないまま3人とも殺される。そして最後に警部が家に火をつけて解決。なんだよそれ! 結局、この現象はなんだったんだよ。ポスターにも出ている裸のジジイは誰なんだよ。南米だけに細かいことは気にしないのか。きっとギレルモ監督がなんとかしてくれる。