冬のビデオまつり「ガンズ・アキンボ」「サイバー・ゴースト・セキュリティ」

この6本のタイトルの一つでも知っている人はすごい。

【1,700円】 原作はコミックらしい。タイトルが上手だなあ。小寺さんはボルダリングに青春を、というか人生のすべてを賭けている女子高生。そんな彼女への尊敬なのか嘲笑なのか、とにかく近づきがたいものを感じる同級生は男子も女子も彼女を呼び捨てにもせず、下の名前でも呼ばずみんな「小寺さん」と呼ぶ。小寺さんは人を誘うこともなく、クライミングの素晴らしさを説くこともなく、ただひたすら登り続ける。その小寺さんを見ていた同級生(ポスターの下側)が少しずつ影響を受け始め、それぞれの山を目指して登り始める話。主役は元モー娘。の人。この映画、小寺さんは風景のようにボルダリングをしているだけなので、スポーツ物といっても自己主張を感じてしまう土屋太鳳ではダメなんだよね。つねに全身像が映るので代役がきかない、相当に練習をしたのだと思う。

【1,500円】 新宿武蔵野館に行ったとき、この映画を猛プッシュしてたな。でも武蔵野館の猛プッシュなので世間的にはほとんど知られてない映画。主人公は売れない小説家。小説としてはダメダメだが、殺しのシーンだけは無駄に緻密な描写。彼は殺人の請負をしている。といっても実行するのは別の人で、仲介をして仕事が終わった後にそのときの様子を微に入り細に入り聞き出す。今回もいつもの依頼のはずだったが...コメディかと思ったら意外にハードボイルドな内容。

【500円】 小川紗良ちゃんが主演だが池袋の単館上映だったので観に行けなかった作品。でも内容がダメダメだった。紗良ちゃんは先日、映画監督デビューをしたので主演映画はたぶんこれが最後だと思うのにこの企画と台本ではかわいそう。

【1,500円】 白血病や腎不全を患っている娘、助かるには骨髄液や臓器の移植しかないが夫婦とも不適合者。そこで夫婦が取った行動がもう一人子どもを作りその子をドナーにする。姉の病状が悪化し、いよいよ移植が必要になったとき妹は裁判を起こす。「自分の身体を親とはいえ他人に決められたくない」と。わかる、わかるぞー だが裁判で明らかになる意外な真実。親は見失っていたが妹はわかっていた姉の思い。キャメロン・ディアスが適役すぎる。

【1,900円】 ニュージーランド製のアクション映画。ネットのあらしが趣味の主人公。知る人ぞ知る人気サイト、出場者が殺し合いをしてその様子を隠しカメラやドローンで中継する。そのサイトにあらしのコメントを連投したために、両腕に拳銃をボルトで固定され出場させられてしまう主人公。しかも相手は連戦連勝のチャンピオン。射撃も格闘も未経験の主人公に勝ち目はない。だが生き残るには勝つしかない...主役はラドクリフ。こいつ、前にはお尻からガスを吹いて海面を疾走する死体の役だったし、こんなのばっかりだなあと予告編を見たときは思ったが、この映画、傑作だよ。なぜ傑作かは次の作品とまとめて述べる。

【1,900円】 オーストラリア版ゴーストバスターズ。実ははるか昔から悪魔とネクロマンサーと呼ばれる悪魔狩りをする人々の戦いが続いている。ネクロマンサーは悪魔をネットに封じ込めることに成功した。だがネクロマンサーのリーダーが闇オチしてネット上の悪魔を率いてスマホ経由で人間を襲い始めた。ネクロマンサーはほぼ全滅し、生き残った姉妹と、新たにスカウトされた主人公に人類の運命は託された...このオセアニア製アクション映画の2作、共通しているのが設定が馬鹿馬鹿しいこと。そこを隠してないので、逆に細かい説明や因果関係とかそうなった理由とかを端折って、あとからあとからイベントが起こっても納得ができる。いや、納得はできないのだがそれを求めてはいけない雰囲気が最初からある。このオープニングからエンディングまで駆け抜ける疾走感はなかなかいい。やるなあ、オセアニア。このドライブ感が日本映画には無いんだよなあ