冬のビデオまつり「ハンナ」「アルプススタンドのはしの方」

そもそも11月の1週目ってどんな陽気が正しいのだっけ? 暖かいのかこんなもんなのかよくわからないよ。

【1,000円】若草物語で次女役をやった人が10代のときの作品。人里離れたフィンランドの原野で父親と二人暮らし。射撃・格闘術・語学の英才教育を受けるが父親以外の人と話したことはなく、テレビを見たこともない。特殊部隊の急襲がありドイツのある場所で会うことを約束し別行動をする...ここまでの設定は面白いが中盤はただのロードムービーになり、終盤の対決も盛り上がらないまま終わる。このモヤモヤをなんとかしてくれい。この作品はAmazonオリジナルビデオで1シーズン全8話が2シーズンまで出ている。

【800円】 お勧めはしないのであらすじも省略。ラストだけそれなりにスリリングだったので800円にした。舞台がエロサイトなのにエロが足りない。

【1,200円】 原作は何十巻も出ている人気小説らしい。主役は松坂桃李。その許嫁が芳根京子、妹が南沙良なのは俺得な配役。序盤、将来を嘱望されていた主人公が浪人になるまでの過程にけっこう無理があるのだが、原作だともっと説得力がある描き方なのかもしれない。展開が都合良すぎだったり結末が予定調和だったり細かい不満をあげるときりがないのだが、時代劇というフォーマットですべて許される面はあると思う。現代劇で同じ展開にするには説得力を出すためにいろいろな説明や過程を経なければならない。それが時代劇だとなんとなく納得しちゃう。これをもっと使わない手はないと思うぞ。それにしても許嫁の境遇は無理がありすぎる。でも原作もこうなんだよね。

【1,900円】 素晴らしい作品。舞台劇の映画化らしいが、舞台が甲子園なのにグランドや野球の試合風景が一度も出てこない。最初から最後までスタンドの片隅で行なわれる4人の会話だが、徐々に明らかになっていく4人の過去と現在の思い。そしてラストは意外と野球そのものが生き生きと描かれている。映像はないのに。おそらく「マスカレードナイト」の100分の1、「DUNE」の10000分の1くらいの予算で作られた作品だが、映画の可能性が示された傑作。