真夏の映画まつり「サマーフィルムにのって」「鳩の撃退法」

孤狼の血」も「ドント・ブリーズ」も見たかったがこの2本。

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どんなB級映画を見ても一人は知っている人が出ているものだが、これは全員見たことない。しかも主人公、その仲間、ポスターの3人を筆頭に女子高生役がたくさん出るのに美人がいない。だがこの映画、ここ数年で観た邦画のナンバー1だった。東映時代劇が好きな3人が文化祭で上映する映画を撮る話。青春ドラマとしての直球と変化球のバランス、疾走感と脱力感、これ以上でもこれ以下でもないクライマックスからラストシーンのうまさ。脚本、構成、演出が見事の「ザ・映画」。この3人の呼び名(名前は最後までわからない)、主役の「ハダシ」はともかく、あとの2人の「ビート板」、「ブルーハワイ」が笑える。

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ポスターには「この男が書いた小説を見破れるか 天才作家が仕掛けた謎解きエンターテイメント」と書いてあるが嘘。主人公の謎は彼が書いた物がフィクションなのかノンフィクションなのかという点だけで、その内容の複雑さは一つのアクシデントがつぎつぎに連鎖し、全体として捻れた事件になってしまった。最後で明らかになる全貌がなかなか見事。これ、小説を読んだだけではよくわからなかったりして。