真夏のビデオまつり「ANNA」「ツングースカ・バタフライ」

暑すぎてビデオを見る気さえ起きなかった、生きてるだけで精一杯の日々。急に涼しくなった。

【1,900円】リュック・ベッソン監督定番の女性が主人公のダークヒーロー物。KGBのスパイがCIAに捕まり二重スパイになることを余儀なくされる...「え?」という出来事があると、そこから回想シーンになりなぜそれに至ったかが語られるフォーマットがこの物語の特性にマッチしている。誰が誰を騙しているのか、誰がそれを見抜いているのか最後までわからないのが秀逸

 【1,500円】アメリカの人気アニメの実写化らしい。外界から壁で隔離された国家、病気も飢えもないが思想の自由もないユートピアと表裏一体のディストピア物。主人公はレジスタンスの一員で国家転覆のために独裁者の命を狙うが...世界観とか独特のビジュアルはすごくいいのに物語に深みが無いのが残念

 【1,500円】「湯を沸かすほどの熱い愛」、「チチを撮りに」が監督、1本20分の短編が3本のオムニバスだが、登場人物が微妙に関係してくる。前作もそうだが、趣旨はわかるが観客がそこまで共感できないまま終わってしまうのが残念

 【500円】映画を紹介するYouTuberが絶賛していたので見てみたがかなりイマイチだった。金田一さんに比べると原作がそもそも弱いように思った。江戸川乱歩横溝正史はさんざん映画化されているが、高木彬光も映像化に向いている傑作がたくさんあるよ

【1,600円】ヒロインはシンデレラの人。悪の組織にからめとられてしまっている主人公がひたすらかわいそう。ラストは一見バッドエンドだが法的にはこれ以上ないほどのハッピーエンド

【1,200円】60分の小品。女子高生の嫉妬、探り合い、焦燥がとにかく痛々しい。もう少し一人一人の人物像や思いを掘り下げたら佳作になったと思う

【1,700円】掘り出し物の一品。自衛隊のレンジャー部隊を辞め、なぜか窃盗グループに入った主人公。仲間内のトラブルで相手を殺してしまい4年間の服役を経験した。本人は真面目に働こうとするとのだが前科が知れると辞めさせられる。そんな主人公が学校にも行かせてもらえず食事も与えられないネグレクト12才の少女に会って物語が大きく転回する...主人公の亜紗美さんは元AV女優のアクション女優でこれが引退作らしい。かなりキレッキレのアクション。少女役の丁田凛美さんがすごく可愛い。いまは14才でnicolaのモデルやドラマにも出ているみたい。ラストはあまりにも都合が良すぎるハッピーエンドだが、この二人が不幸すぎてそのくらいじゃないとバランスが悪い

【1,500円】昨年公開のゾンビ映画。主演はスターウォーズの人。オーソドックスなゾンビ映画で、登場人物もゾンビの性質は映画やビデオで熟知している。ふつうに墓場から蘇った死者が人間を襲うのだがコミカルな演出で退屈しない。ただいままでと違う映画を作ろうとしたのだろう、ラスト15分が意表を突く展開でそれがすべてをぶち壊している。ふつうに終わらせれば良かったのに

【1,200円】1970年代ドイツの実話だそうだ。てっきり江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」みたいな話だと思ってたんで、主人公はいつ屋根裏に上がって隣人を殺しに行くのかと思って見てたら終わっちゃった。主人公はアパートの最上階に住んでいて隣の屋根裏部屋に死体を隠していたんだ。前に見た「ヘンリー」もそうだが衝動的に殺人をするのでみんな死体の始末に困っちゃうんだよね。そりゃそうだ、人間みたいに大きいものを