真冬の映画まつり「あなたみたいに、なりたくない。」

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最近のお気に入りの阿部純子の主演作。といっても40分くらいの短編。文化庁が音頭取りの「若手映画作家育成プロジェクト」というのがあって、たぶん台本かなにかで選考をして3人の監督に制作費を出してあげて短編映画を作らせるのだと思う。1本目がこれですごく良かった。28才で結婚をあせる主人公。向かいの席のオールドミスみたいになりたくない。パートナー紹介システムに登録していろいろな男性に会うがどうもしっくりしない。あるきっかけで向かいの女性の家に行くが、彼女は自分よりよほど充実した人生を送っている。その人に「なんでそんなに結婚をあせるの? あなたみたいになりたくないわ」と言われてしまう。最後は恋の予感を感じさせながら終わるハッピーエンド。この監督は基本をおさえた筋の運びと細かい演出と凝った映像。主人公の心境の変化に合わせて衣装や靴が変わっていったり、ラストシーンは台所でぎこちなくすごい音を立てて野菜を切っている。これは「趣味:料理」と嘘を書いたのと対応している。なかなかいいじゃないか。あとの2本も期待だと思ったら、残念だった...気合いだけが先行してとっちらかったまま終了。3本が終わったところでMCと3人の監督が舞台に上がりトークショー。なぜか質問コーナー。いやいや無理でしょ。誰も手を上げないので、ええい、ままよと手を上げる。ほっとするMC。マイクが渡されて

川崎監督に質問です。私は阿部純子さんの大ファンで、
みなさんにはたいへん申し訳ないのですが阿部純子さん見たさに来ました。(舞台笑い)
監督がずっと一緒にいて阿部純子さんはこんな人、というエピソードがあったら教えて欲しいのですが

監督からはたいへん役に熱心な役者さんで、移動のときほかの役者さんは寝ているのに阿部さんは台本や演じ方の質問や意見交換をずっとされて感心しました、とかけっこう長い回答をもらった。良い質問だったとは思えないけど、監督とすると答えやすい質問でしょ。2人の監督や観客も「へえ、こんなマイナーな人のファンがいるんだ」と驚いたんじゃないかな。しかもジジイ