児童誘拐事件を追う警察と、一人の孤独な青年。物語のプロットだけ書けば短編に収まってしまうような話を、厚さ5cmの単行本にしているのが圧倒的なディティール。奥田英朗が戻ってきた、これだよこれ。試行錯誤、迷走する警察と、物語にどう関係してくるのかわからない青年(想像はつく)、本の5分の4くらいまでそれが続くがまったく飽きずに読み進められる。こういう小説が書ける筆者の体力と胆力に脱帽。
どんでん返しが鮮やかな作者の短編集だが、本作はちょっと残念だった。トリックのためのトリックになっていて小説としての物語性が弱い。
買ったままずっと読んでいなかった。先日、単発のドラマ化され録画を見る前にあわてて読んだ。ふつう小説を先に読んで数年後に映画を観るので細かいストーリーはすっかり忘れているのが常の私。今回は小説を読んですぐにドラマを見たので、この人がこの役者か(宮本信子と吉岡里帆はぴったり。中谷美紀は違和感があったが役に寄せて演じきる力はさすが)、このエピソードは省略か、ここはテレビ向けに帰るかと感心しながら見ていた。
わかったような、わかんないような。筆者の思い入れが強すぎて逆に本質がぼやけているような気が。
新製品やプロジェクトのアイデアをどうやって出してどう発展的にまとめるか。いま無いものなのでクリティカル・シンキングはまったく役に立たない。数々の雑誌の創刊に携わってきた著者が、ビジネスの現場を見てみたら雑誌の創刊のノウハウがそのまま使えるのではないかとコンサルティングを始めたのが本書のきっかけ。独特の切り口があって面白い。