からすの赤ちゃん


からすの赤ちゃん

理由も無くて、きっかけもよくわからないで突然に何かに疑問を持つとか、知りたくなることってあるだろ。今朝のことだ。

童謡「からすの赤ちゃん」の二番ってなんだっけ?

そもそもの一番だが

(作詞:海沼實)
からすの赤ちゃん なぜなくの
こけこっこの おばさんに
あかいお帽子 ほしいよ
あかいお靴も ほしいよと
かあかあ なくのね

これな。もの悲しい童謡ではベスト3に余裕で入るのではないか? 昔、私の母親から「あんたが赤ん坊のころ、これを歌うとむせび泣いた」と聞いたことがあるので、もの悲しいどころかトラウマ級と呼んでよい。でも良い世の中だ。これの二番なんかネットで簡単に調べられる。

からすの赤ちゃん なぜなくの
こけこっこの おばさんに
あかいお帽子 ほしいよ
あかいお靴も ほしいよと
かあかあ なくのね

めえめえ山羊(やぎ)さん なぜなくの
お里の 母さんに
おねむに なったのよ
あまいおっぱい 頂戴(ちょうだい)ねと
めえめえ なくのね

迷子の鳩さん なぜなくの
みみずく おじさんに
夜路(よみち)は こわいよ
ほおずき提灯 かしとくれと
ほろほろ なくのね

狐の赤ちゃん なぜなくの
三日月 おばさんに
木の葉でかんざし 買っとくれ
小石で花ぐし 買っとくれと
こんこん なくのね

 四番まであるのかーい! 一番だけ聞いて二番の歌詞を読むと、一番の3行目「あかいお帽子 ほしいよ」と二番の「おねむに なったのよ」が文字数が違いすぎて合わない。三番の「夜路は こわいよ」も同様。四番の「木の葉でかんざし 買っとくれ」は合う。動画を聞いてみると「あかいお帽子」を「おーねーむーに」と伸ばすのか。でも二番の「お里の母さんに」のフレーズはなんとなく覚えているので聞いたことがないわけではないと思う。でも四番まであったのに感動して、会社で周りの連中に「おい、知ってるか? 『からすの赤ちゃん』は四番まであるんだぞ!」と言ったら、誰も「からすの赤ちゃん」を知らなかったよ...○| ̄L...

この歌の工夫は、動物が鳴くのを人間が泣くのと同一視して、どんな悲しみがあるのだろうと想像するところだね。動物は悲しいわけではない。日本語だと人間も動物も昆虫もぜんぶ「なく」だが、英語だとどうなんだ? このサイトによると*1

動物 「鳴く」などの動詞
犬(dogs) bark <吠える>
howl(ハウル)<遠吠えする>
猫(cats) meow(ミャウ)
pur(パー)<喉を鳴らす>
鳥(birds) sing <(歌う感じで)さえずる>
chirp(チャープ)<甲高く鳴く>
tweet(トゥイート)<さえずる>
馬(horses) neigh(ネイ)<いななく>
羊(sheep) bleat <メーと鳴く>
豚(pigs grunt <ブーブー鳴く>
カエル(frogs) croak <ケロケロ鳴く>
カラス(crows) caw(コー)<カーカー鳴く>
ライオン(lions) roar <吠える>
ゾウ(elephants) trumpet <パオーンと鳴く>
ヒル(ducks) quack <ガーガー鳴く>

動物によって違うのね。いちいち覚えるのがめんどうなので、「なく」で統一できる日本語のが楽だ。ゴジラも鈴虫も北川景子もぜんぶ「なく」だ。このサイトによると共通で表すなら「make a sound」でしょうと。でもオナラや歯ぎしりも含まれちゃいそう。若い人は「からすの赤ちゃん」を知らないみたいだが、ぜひ覚えて人間の赤ちゃんに歌って聞かせてね。トラウマになるよ