秋のビデオまつり「日日是好日」「ホテル・エルロワイヤル」「CHAOS カオス」

まずはダメな映画を2本。

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ヒーローの造形のかっこよさと映画のダメさの落差が激しすぎる。なんでもアメリカで玩具になっているヒーローを映画にしてみたようだ。とりあえず作ってみましたというやっつけ感が満載。

 

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全宇宙レベルの壮大な話をショボい映画にした感じ。ポスターからしてウソだから。「地球征服完了まで残り5日」、ここに偽りはない。ただその5日間の過ごし方が無駄すぎる!

 

   f:id:M14:20191023193434j:plain 1,900円

これは昨年の秋、怪我をしたために観に行けなかった映画。最初に言っておくけど主演は黒木華樹木希林多部未華子は途中退場だからファンの人が見るとがっかりするよ。母に勧められて大学生の黒木華がいやいや茶道を習いに行く。その先生が樹木希林。そこからの10年間、ラストではさらに10年後。この映画の舞台はほとんどが茶室の中なのよ。静謐さの中に静かに流れる時間と四季の移ろい。ストーリーの展開だけ追うならテレビドラマで十分。それでも私が1,900円、つまり映画館で観たかったにしたのは映像がとにかくきれい。茶室内のカットが、どれもキャプチャーを撮って額に入れれば、そのまま個展が開けそうなくらいの映像美。主演の黒木華のキャラの薄さが映像を邪魔しない。これが北川景子とか松岡茉優だと自己主張が強すぎて映像が楽しめないと思う。

 

   f:id:M14:20191023193445j:plain 1,200円

1,200円だよ。これ、そんなにすごい映画か? メッセージ性も文学性もそれほど強くない娯楽映画。とりあえず安藤サクラ松岡茉優の胸が大きいのだけはわかった。あとは樹木希林。このポスターの樹木希林は全然感じが違うでしょ。前の映画の上品なお茶の先生と、この映画の下品な婆さん。最初の30分くらいは樹木希林みたいな話し方をする別の俳優かと思ったくらい別人だったよ。よく若い俳優に対して「カメレオン俳優」と呼ぶ人がいるが、ここまでできて俳優だと思うよ。

 

   f:id:M14:20191023193438j:plain 1,900円

ワケありの客がワケありのホテルに偶然集まる。ここまでは映画の解説で知っていたが、ワケがありすぎる、業が深すぎる。ポスターに「豪華キャスト集結!」と書いてあるが、私はぜんぜん知らなくて、この映画は豪華キャストじゃなくてもまったく面白さは変わらない。しかも豪華キャストのギャラを除けば映画自体はかなりの低予算で作れてしまう。そのくらい企画と脚本がよくできている。何度も書くが、ハリウッドほどの予算がないから良い映画が作れないと言っちゃう日本の映画関係者。心から反省して欲しい。

 

   f:id:M14:20191023193442j:plain 1,900円

まさにカオス、映画の構成そのものがカオス、企画を作った人の頭の中がカオス。ならず者に両親を殺された娘が主人公。復讐のためにあるヤバイ人の紹介でヤバイ人を雇う。それが返り討ちにあってもっとヤバイ人を雇って...それが表のストーリー。その裏ではターゲットの二人のならず者。彼らが偶然に拾った冊子。それは二人を主人公にした映画の脚本で、行動から発言からその脚本のとおりに進んでいる。別な発言や行動をしようとしてもそれが脚本に書いてある。最後は死ぬことになっているので、この脚本を書いた人を探し出して書き換えさせなければならない。中盤から両陣営が知らない第三の人物がなんの脈絡もなく参入してもうごちゃごちゃ。それでいてストーリーは破綻してなく、最後はきれいに着地する。でも会席料理と中華料理とフランス料理をいっぺんに食べた気分。