にわかファン

こんな記事があった。*1

今大会でラグビーの試合を初めて目にし、日本代表の面々が勝利のために自己犠牲もいとわず、献身的に動きながら仲間を生かす姿に大きな感動と勇気を与えられた――。そういう類の声はとにかく方々から毎日のように耳にする。普段はスポーツにすら興味のないような人たちも、こと「ラグビーW杯」の話題になると目の色を変えながら「凄かったね」「素晴らしかった」などと熱く語り合う。日本ラグビーフットボール協会の関係者からも「正直、ここまで盛り上がってもらえるとは思わなかった」と口々に嬉しい悲鳴が飛び出しているほどだ。

今大会の大成功と近年にないラグビー人気の盛り上がりを支えているのは、まず間違いなく〝にわかファン〟たちである。そして、その〝にわか層〟を煙たがることなく手厚く歓迎し、受け入れてくれるムードがラグビー界にはあったからこそ今大会成功と日本での人気爆発に結び付いたのだろう。それはここまで今大会の取材を何試合か実際に重ねている中で率直に感じた思いだ。

 「にわかファン」って今年の流行語大賞じゃねえの。先週あたり、テレビの街頭インタビューで「きょうは早く帰ってラグビーをテレビで見ます」「いつごろからのファンですか?」「先週からです」。こんなやりとりをよく見た。本来、にわかファンってちょっと恥ずかしいことであるが、それを臆面も無く堂々と公言できる雰囲気があった。なによりここで変にかっこつけて試合を見ないと一生後悔すると思えるくらいの活躍であった。また野球やサッカーの応援のしかたに慣れている我々にとって、スタジアムで両チームのファンが混ざって座り相手チームも応援する姿は新鮮で清々しかった。ラグビーって実に危険なスポーツだと思う。ほとんど喧嘩をしているみたいなもんだから、し合いの前後には必要以上に紳士的に振る舞わなければスポーツとして成立しないよね。その意味で相撲の力士の暴力は理由に関係なく一発アウトだと思う。

話を戻して、上の記事で赤字にした部分。「〝にわか層〟を煙たがることなく手厚く歓迎し、受け入れてくれるムード」、これは本当に大事だと思う。誰でも最初はにわか層。それを暖かく迎え入れなければファンは増えないし未来は先細りになる。ところがアイドル界にはこれが無いんだよ。もうほんと、前の方に陣取っている古参のファンが邪魔。小松彩夏のイベントに初めて行ったときファンの濃さは予想どおりだったが、その人たちとあえて親しげにせず、初見のファンと同じように接する小松彩夏は立派だと思った。小松彩夏のファンがそうだという意味ではなく一般論だが、古参のファンはファンの人数を増やそうとは思ってないんだよね。むしろ「ボクだけの○○ちゃん」しか考えてないのでファンが増えるのを良しとしない雰囲気さえある。ファンが増えなければイベントだって開催されなくなるし、芸能生活だって長く続かなくなる。そこのところをどう考えているのはすごく不思議。もうその手のイベントに行くこともないだろうから、こんな話題自体が私にはどうでも良いことなのだが、思わず「それだよそれ、オレもそう思ってたよ」という記事があったので紹介してみた。